本日発売されたアップルの新製品、iPad Air。果たしてサブネームに「Air」を付けるほど軽いものなのか?早速購入して確認してみた。購入したのはWi-Fiモデルのスペースグレイ、64GBだ。

Airの名を冠した新しいiPad。果たしてその実力は?

まず全体の見かけをみると、そんなに大きく変わっていないように見える。画面はもちろんRetinaだし、9.7インチという液晶サイズも変わらないからだ。しかし背面はこれまでのiPadとは違い、どちらかといえばminiの背面デザインに近い。そして改めてよく見てみると、額縁の横側はかなり薄くなっているのがわかる。そして何より軽さ。旧iPadと比べればその差は明らかで、どちらかと言えばiPad miniと比べるべきだろう。これまでのずっしりした重さではなく、スッと片手で持って操作できる感じは確かに「Air」というにふさわしいかもしれない。

写真で撮って比べて見るとよく分かる大きさと厚さの差。同じ液晶サイズなのにこれだけ違うと、やはりコンパクトになったと感じる。そして仕上げの良さもさすがはアップルだ。他のメーカーの製品にはない高級感を感じる。

第3世代 iPadと重ねた状態で表と裏で写真を撮ってみた。こうしてみると大きさの差がよく分かる

厚さも比較。2/3になったというのは嘘ではなく、しっかりと薄くなっている

付属品は今回もシンプルで、ACアダプターとボタン類を説明するカードやリサイクルシールなどが収まったケース、そしてその下にケーブル。使用説明書などはどこにも入っていない。これだけのミニマムな構成なのは初代 iPadから一貫している。それでも蓋を開け、iPadの大きな液晶面が見える瞬間はやはりドキドキする。

ケースの中はとてもシンプル。カードケースの中にはアップルロゴのシールが入っているので確認してみよう

電源を入れ、指示に従って今使っているiPadのApple IDを入れれば、見慣れたiPadの画面だ。すでにiPadのユーザーでPCにバックアップを取っていれば、このあとバックアップから復元さえすれば以前とまったく同じ状態に戻る。Androidなど他のタブレットならここからのシステム再構築が大変だが、アップル製品は旧製品の「バックアップを復元…」のみで完了する。この手軽さを知ってしまうと、他のタブレットを使う気にはなれない。

電源を入れれば見慣れた画面。PCに接続してiTunesからバックアップを復元しよう

また今回新規購入したユーザーはiLife(写真整理加工アプリのiPhoto、動画編集アプリのiMovie、音楽制作アプリのGarageBand)、iWork(ワープロアプリであるPages、表計算のNumbers、プレゼンアプリのKeynote)といったアップルのアプリが無料でダウンロード可能だ。初回、App Storeアプリを起動すると、アップルの提供している無料アプリと合わせてまとめてダウンロードできるポップアップが表示されるので、指示に従ってダウンロードを行おう。Apple IDを持っていない人はここでApple IDを作ることをオススメする。

App Storeを初回起動時に表示されるアップルの無料アプリ群。[すべてダウンロード]でまとめてダウンロード可能だ

動作に関しても第3世代 iPadとの比較なので差があるのは当然だが、アプリの反応やキビキビ感がまったく違う。試しにPerformanceTest Mobileというアプリでベンチマークをとってみたが、CPUの能力で3倍、ディスクで2倍、メモリでは30倍以上と数値の差は歴然。2D、3Dの表示性能も倍近い差が出た。これまで3Dのレーシングゲームなども難なくこなしてきた第3世代iPadだが、こうして数値で見せられると性能差に唖然とする。

PerformanceTest MobileはiPhone/iPadで使えるベンチマークアプリ

3D測定ではヘリコプターの3Dモデルを飛ばして測定される

第3世代 iPad iPad Air 比率(倍)
CPU 11277 36250 3.2
Disk 9634 17614 1.8
Memory 159 5154 32.4
2D 316 663 2.1
3D 590 867 1.5
第3世代 iPadとの比較で、平均して8.2倍のパフォーマンスという数値となった

すべての性能において大きく第3世代を引き離している。1世代飛んでいるとはいえ圧巻だ。

まだ十分に使っていないがその性能は明らか。これから高い処理能力を要求するゲームやiWorkやFileMaker Goなどの業務用アプリを検証するが、どの程度動くかが楽しみだ。もし第3世代以前のiPadを持っている人であれば、買い換えは十分に価値のあるものになるのではないだろうか。