説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「ヘッドフォンで音楽を聴いているとき、突然話しかけられたら?」という質問に答えます。

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iPhoneは、ポータブルオーディオとしての機能を備えています。現在では「ミュージック」という名称に変更されましたが、以前は「iPod」という名称でしたから、(ハードウェアの)iPodと同等の機能をiPhoneに持たせた、と言ってもいいでしょう。 それだけに、ポータブルオーディオとしての機能は充実しています。パソコン(iTunes)との音楽の同期はもちろん、付属のイヤフォンには選曲用のリモコンを用意するなど、操作性も考慮されています。しかも、音楽を聴くことに関する基本機能はOSに組み込まれているため、サードパーティー製アプリでも「ミュージック」とほぼ同じ操作性を実現できます。iOS 7では「コントロールセンター」から操作できるようになるなど、改良が続けられていることもポイントです。

Appleならではの遊びごころも見られます。たとえば、iPhoneを上下に振るとランダムに選曲(シャッフル)できるとか、付属のイヤフォンにあるリモコンが「カメラ」のシャッターレリーズになることは、ミュージックプレイヤーの枠から一歩出た試みといえるでしょう。

質問にあった「突然話しかけられる」ことも、想定に入れてデザインされているようです。音楽を聴いているとき誰かに話しかけられたら、慌ててストップボタンや音量ボタンを探しそうなものですが、Appleはもっと単純で効果的な方法を用意しています。

それは、いきなりイヤフォン端子を抜くこと。「ミュージック」を操作する必要はなく、ただ端子を抜くだけで音楽再生は止まります。内蔵スピーカーから音が出ることもありません。iOSの音楽再生機構(iOS 7の場合コントロールセンターから操作できるもの)であれば同じ操作方法が使えるため、IPサイマルラジオアプリ「radiko.jp」ではストリーミング放送が止まります。この方法は電話がかかってきたときにも使えますから、購入したイヤフォンに付属のマイクでハンズフリー通話するのが苦手という人でも、イヤフォンを抜いてから応答すればいいのです。

写真で解説

電話がかかってきたときでも、イヤフォン端子を引き抜くだけで音楽再生は止まります(写真左)、「ミュージック」にかぎらず、「radiko.jp」など音楽再生アプリの多くはイヤフォン端子を引き抜くだけで音が止まります。内蔵スピーカーに切り替わることもありません(写真右)