ハイアール アクア セールスは10月31日、新製品発表会を開催。11月下旬に発売予定のドラム式洗濯機、ノンフロン6ドア冷凍庫の2製品を報道関係者にお披露目した。

旧三洋電機の冷蔵庫・洗濯機部門を2011年に買収し、日本における販売部門の現地法人として2012年1月に設立されたハイアール アクア セールス。同年2月に、旧三洋製品の意匠を引き継ぐ、新生「AQUA(アクア)」ブランドとして新製品を発売。今回発表された新製品はそれに次ぐ第2弾となり、新会社設立から1年を経て企業メッセージや思いを込めてたどり着いた商品だと意気込む。同社代表執行取締役社長の中川喜之氏は「日本の白物家電市場では弊社は最後発のメーカー。他社と同質の製品では市場競争の激しい日本では生き残れない。他社製品にはないユニークでエッジのきいた商品を『アクア』ブランドとして世に送り出していきたい」と話す。

「設立2年目はとても大切な年。弊社の思いを具現化した商品を早く出したいと思いながら開発を進めてきた」と語る、ハイアール アクア セールス代表執行取締役社長の中川喜之氏

そして同社の思いを具現化した商品の1つとして開発されたのが、ドラム式洗濯乾燥機「AQW-DJ7000」。白物家電市場で4年連続ナンバーワンの実績を誇るグローバル企業のハイアールらしく、世界各国のユーザーの声を集約。欧米や中国・韓国の家庭用洗濯機では主流となっている、ヒーターで水を温めてお湯で洗う機能を搭載しているのが最大の特徴だ。

同社によると、黄ばみ、黒ずみの原因となる皮脂汚れには、洗剤の酵素を活性化させる摂氏40~50度のお湯が最適。「AQW-DJ7000」はセンサーで水温を検知し、5度刻みで最高50度まで温度設定ができる。また、三洋時代からの特徴であるオゾン水によるすすぎ機能で、洗いの行程で落ちなかった汚れや残留洗剤を強力に分解する。オゾン機能は、風呂残り湯を除菌・浄化する働きもあり、水道水を一切使わずエコに洗濯したり、洗濯槽を自動清掃したりもできる。

同社が行ったアンケートでは、ドラム式洗濯機ユーザーの60%以上、縦型洗濯機ユーザーの55%が風呂の残り湯を洗濯に再利用しているとのこと。これは、お風呂文化のある日本ならではの傾向で、それに応えるべくオゾンによる浄水機能を搭載したとしている

毎日の使い心地にもこだわる同社。新製品では、液晶表示部を従来機種よりも約2倍に拡大し、操作性のアップも図られている

一方、冷凍冷蔵庫の新製品として発表した「AQR-FG50C」は、定格容量401L以上の超大型クラスの製品市場への同社初参入となる商品。食生活の変化や省エネ性能への評価の高まりで、大型冷蔵庫への需要が年々増加していることから、冷蔵庫の開発自体からは一度撤退していた同社だが、三洋電機のリソースを活用し、再参入を決めたという。

新製品の主な特徴は、「スマートエアカーテン」と呼ぶ独自の温度制御機能だ。ドアの開閉前後60秒間自動で作動し、開閉時の庫内温度の上昇や温度回復スピードを上げ、庫内の温度を一定に保つことで、食品の鮮度劣化や栄養素の減少を抑制できる。

2つ目は、「トリプルフレッシュルーム」と名付けた独自のチルドルーム構成。幅57cmのワイドなルームのほか、チルドルームを3つの部分に分け、収納力と整理性を強化している。その他、ファンで強風の冷気を食品に噴き付け、通常の4倍の速さで急速冷凍できる「ジェットフリージング」などの機能を持つ。

ギミックが多く、庫内を細かく分割する傾向にある他社製品とは反対に、汎用性のあるシンプルなルーム構成が特徴の新製品

製氷皿が取り外せるなど、給水経路をすべて洗うことができ、他社製品との差別化が図られた自動製氷機機能

同社代表執行取締役社長の中川喜之氏は「日本の白物家電市場においてアクアブランドのプレゼンスを高めるためにも、「Life is Precious」のブランドメッセージのもと、今後も独自性のある商品で他分野へも積極的に参画していきたい」と語り、日本市場参入2年目の意欲を明かした。

今回発表された新商品の推定市場価格は、「AQW-DJ7000」が28万円前後、「AQR-FG50C」が26万円前後となっている。

新製品と一緒に写真撮影に応じる中川社長。「AQW-DJ7000」(右)は左開きと右開きの2タイプがあり、カラー展開はホワイトのみ。「AQR-FG50C」(左)は、ピュアホワイト、ブルーシルバー、マテリアルブラウンの3色を揃える