iOSの「アクセシビリティ機能」は、聴覚や視覚に障がいを持つ人が快適にiPhone/iPadを利用可能にする機能群のこと。画面に表示された文字を読み上げる「VoiceOver」、指3本で画面をタップすると拡大表示できる「ズーム機能」など、さまざまな機能が『設定』の「アクセシビリティ」画面に用意されている。

障がいを持たない人が利用しても便利に思える機能も少なくない。たとえば、選択した文字列を読み上げる「選択項目の読み上げ」は、いわゆるテキスト・トゥ・スピーチ(TTS)の機能として利用できる。メールやSafariといったアプリからも利用できるので、クルマを運転中にニュースサイトの内容を読み上げさせる、といった使い方が可能だ。もちろん日本語の読み上げにも対応している。

iOS 7では、この「選択項目の読み上げ」が強化され、多国語対応を果たしている。選択した文字列を自動判定し、適切な言語で読み上げてくれるのだ。たとえば、「Ich liebe dich」はドイツ語で、「Bon voyage」はフランス語で読み上げられる。『バンコの代表作は「Io sono nato libero」です』などと2つの言語が入り交じった文でも、イタリア語の部分はイタリア語で読み上げられるという精度の高さだ。

ただし、「Apple」のように日本語でも一般化している単語は、ユーザの判断に委ねられる。この場合「読み上げ」ボタンが「読み上げ...」に変化し、これをタップすると日本語と英語のどちらかを選択できるのだ。「Appleの新製品は……」とすると日本語の文章と判定されるので、単語で試してほしい。

操作手順をカンタン解説

1 『設定』→「一般」→「アクセシビリティ」の順に画面を開き、「選択項目の読み上げ」をタップすると設定を変更できる

2 この画面で読み上げ機能をオン/オフする。「声」をタップすると、読み上げ機能が対応する言語を確認できる

3 読み上げ機能は日本語や英語はもちろん、アラビア語やタイ語のように(日本人には)文字入力が難しい言語にも対応している

4 言語によっては女性と男性の声が入り交じってしまうものの、言語を識別する精度はなかなかのものだ。この場合「Io sono nato libero」の部分はイタリア語で読み分けられる

5 「Apple」のように複数の言語データベースに対応する単語は、読み上げ可能な言語が候補に表示される