クッション(枕)とブランケットはグリーンが温かい印象を与える

北欧デザインといえば、今や世界的に人気で日本でもファンは多い。ヘルシンキの街にはデザイン系のセレクトショップが続々と開店している。そうした中、フィンエアーは同じフィンランド国籍のファッションブランド「marimekko(以下、マリメッコ)」とパートナーシップを結び、この夏から“マリメッコ仕様”の機内サービスを展開中だ。

マリメッコは1951年創業の歴史あるファッション企業であり、製品は2012年時点で世界約40カ国で販売され日本でも全国展開されている。両社のコラボレーションは「Marimekko for Finnairコレクション」と銘打たれ、機内のテキスタイルやテーブルウェアにマリメッコデザインが採用されている。今回、その「Marimekko for Finnairコレクション」のフライトを体感すべく搭乗してみた。

「マリメッコ」がお出迎え

機内に入ると、すぐにそれと分かるデザインが目に入る。ビジネスクラスのゆったりしたシートの上にクッションとブランケットがセッティングされ、クッションはカンムリカイツブリ(鳥の一種)という意味の「シルッキクイッカ」、ブランケットはフィンランド語で小さな石という意味の「ピエネット・キヴェット」のデザインだ。両方とも薄いグリーンの色使いでさわやかな印象を受ける。

続々と繰り出される自慢のデザイン

シートに座り一息つくと、ウェルカムドリンクのサービスが始まる。シャンパンをオーダーすれば、そこには「ピエネット・キヴェット」の紙ナプキンが添えられていた。

離陸して水平飛行に入ると、お待ちかねの機内食のサービスに。飲み物とメインディッシュを決めようとメニューカードを手に取ると、その表紙もマリメッコデザイン。ワインリストは「シルックイッカ」、食事のメニューカードは大雷鳥という意味の「コペッロ」。そう、どこまでもマリメッコなのである。

左)ウェルカムドリンクは「ピエネット・キヴェット」に添えて。右)ワインリストとメニュー

上空というだけあって、機内には鳥をモチーフにしたデザインが多用されている。食事がサーブし始められると、食器やカトラリー、食事用エプロンまで全てマリメッコ。スープカップには人気の「キベット」のブルー・ヴァージョンだ。

食事をしながら「マリメッコ」を楽しめる。フィンエアーでは2013年9月からスターシェフが考案したメニューを提供。この日はヘルシンキのレストラン「OLO(オロ)」のオーナーシェフ、ペッカ・テラヴァ氏の味を堪能

急須でサーブされる日本茶にほっこり

デザートを食べ終えた頃、「日本茶はいかがですか?」と声をかけてくれるキャビンアテンダントの手元を見ると、幅広いラインが特徴の「セイレン」模様の急須。グリーンとブルーの2色が鮮やかにデザインされている。カップはブルーの「コペッロ」デザイン。マリメッコデザインに囲まれた心地よい「ティータイム」を過ごせた。

食事の後はシートを倒し、前述したクッションを枕にしブランケットをかけてしばし睡眠。どちらもデザインだけでなく肌触りもよくゆっくり眠れ、到着したときは快適な気分で旅を続けられた。

「セイレン」の急須とカップ。寛ぎのティータイムも「マリメッコ」が演出

さて、これは帰国便の話なのだが、搭乗し終えて窓の外を見ると、1機しかないマリメッコ塗装のフィンエアー機が目の前に見えた。何とラッキーなことだろう! マリメッコの中でも最も有名なデザインのひとつ、「ウニッコ(ケシの花がモチーフの花柄)のデザイン機だ。

「ウニッコ」塗装の機材はアジアなど長距離路線に飛んでいる。この日は成田便に使用された

男性でも違和感ないどころか……

ヘルシンキ・ヴァンター国際空港にある、床面積1,000平方メートルの「フィンエアー・ラウンジ」。ここにもマリメッコ

マリメッコとコラボレートしたサービスと聞いて、体験するまでは女性向けだと思っていたが、実際はそうではなかった。色使いがブルーと淡いグリーンを基調としているため、男性でも違和感がない。しかも、全体的に爽やかで温かい印象があり、エアラインのインテリアにはとても合っているように感じた。「心地いい」という言葉がぴったりなのである。

今回はビジネスクラスの「Marimekko for Finnair」コレクションをレポートしたが、エコノミークラスでもヘッドレストカバーやブランケット、枕、フリース、紙製コップにクラシックプリント柄を採用。また、フィンエアーは成田、関空、名古屋からヘルシンキまでの直行便を毎日自社運航し、もちろんどの便でも「Marimekko for Finnnair」コレクションが楽しめる。女性はもちろん、むしろ男性にこそ、是非その心地よさを体験していただきたい。

取材協力/フィンエアー