長野県の諏訪湖で遊覧船運行などを行っている諏訪湖観光汽船の売店では、イナゴの佃煮をトッピングしたソフトクリーム「バッタソフト」(400円)を販売し、インターネット上などで話題となっている。一体どのような経緯で販売するようになったのか、諏訪湖観光汽船に話を聞いてみた。

イナゴの佃煮をトッピングしたソフトクリーム「バッタソフト」

長野県には、もともと昆虫食の文化が根付いており、諏訪市内にはイナゴや蜂の子の甘露煮を缶詰にして販売している食品加工業者が存在し、また諏訪湖から始まる天竜川のざざむし(水生昆虫)の佃煮も珍味として食されている。しかし、ホテルや旅館では、そうした珍味をあまり提供していないため、諏訪湖観光汽船では他県から来た観光客や修学旅行の学生などに地元の食文化を知ってもらうため、「バッタソフト」の販売を始めたそうだ。

諏訪湖観光汽船の売店外観

諏訪湖観光汽船の担当者は、「実際に食べてもらわなくても、『バッタソフト』の写真を見て騒いでもらうだけで良かったんです」と語っており、売店のメニューには載せず、写真付きの看板を設置したのみだった。テレビや新聞で取り上げられて注目されたこともあるが長続きはせず、今のように知名度が上がったのはネットで話題になってからだという。

購買層は、おもしろがって購入してくれる若者を想定していたが、老若男女幅広い層が購入しているそうだ。平均して1日に10食程度が売れており、多い日には20食売れることもあるという。諏訪湖へ観光に行った際にはぜひ記念に挑戦してみては?