【レポート】

米Intel、Arduino互換となるQuark X1000搭載Galileoボードを発表 - データシートから概要を読み解く

米Intelは10月3日、ローマで現在開催中のMaker Faire RomeにあわせてArduino LLCとの協業を発表するとともに、低消費電力プロセッサ「Intel Quark X1000」を搭載したArduino互換ボードである"Intel Galileo"を発表した。ここでは発表資料、および公開されたデータシートなどを基にこれをかいつまんでご紹介したい。

■IDF 2013での「Intel Quark X1000」解説記事はこちら
【レポート】IDF 2013 - 突如現れた低消費電力プロセッサ「Quark」の謎に迫る

まず今回、IntelはArduino互換のGalileoボードを開発、これを向こう18カ月の間に全世界の1000の大学などに合計50,000枚寄贈することを発表している。このGalileoはMaker Faire Romeでも配布された模様であり、ここでGalileoボードを入手したユーザー向けに、既にファームウェアの配布も開始されている

また、このGalileoに対応したArduino IDE v1.5.3(Version 0.75)の配布もIntelから開始されている(Photo01)。さらにこうした配布だけでなく、一般への販売も予定されているようだが、時期は11月末の模様だ

Photo01:とりあえずボードは無くてもIDEは動かせるので起動してみた。Galileoに対応したArduino IDEというよりは、Arduino IDEのGalileo対応スペシャル版っぽい

さてそのGalileoボードであるが、Intelより提供されたボード写真はこちら(Photo02)。表面だけでは収まりきらず、裏面にまで部品が実装されており、結構高コストな開発ボードに思える。この感はボード回路図(Photo03)を見るとさらに強まる。

Photo02:サイズは完全にArduino Unoなどと同じ……ではなく、やや横幅が広い模様。本来ボード両端にあるはずのPin Headerがややボードの内側に追い込まれていることからそれが判る。構造はとにかく重装備

Photo03:裏面写真はデータシートより。MACアドレスのシールが張ってあるものは、おそらくMini PCIeのコネクタと思われる

とりあえずデータシートや回路図から読み取れた事を列挙すると

  • CPUはQuark X1000で、400MHz駆動。やはり命令セットは32bitのPentium互換。L1は16KB。
  • おそらく内蔵で512KBのSRAMが搭載され、さらに外付けでDDR3 x8チップを2つ搭載して256MBのDRAMが利用可能。
  • Flash Memoryも外付けで、8MBのSPI Flashが搭載される。このうち256KB分がSketch用に確保される(=他はブートローダやファームウェア用に予約っぽい)。ほかに11KBのEEPROMがユーザーから利用可能。
  • RMIIを搭載しており、PHYだけで10/100BASE-Tが接続できる(ので、基板上にはRJ45コネクタが搭載されている)
  • USB 2.0コネクタが2つあり、片方はClient、もう片方はHostとなる。ClientはPCとつなぎ、Sketchのダウンロードとかデバッグなどに利用可能。Hostの方はUSB Hostとして動作する。OTGの機能がないのが不思議。
  • それとは別に、もう1つUSB Hostがあるらしい(Mini-PCIeコネクタと共用?)が、詳細不明。

Photo04:「Galileo」の概要。よくこれだけのものをArduinoのサイズに収めたという感じであるが

  • MicroSDのスロットも用意され、最大32GBのMicroSDを利用可能。ただこれをどうArduinoのSketchの中から利用できるのかは現状不明。サンプルにもそれらしいものなし(Photo05)

Photo05:例えばAdafruitがリリースしているMicroSDのアダプタだと、SD Card Libraryが別途提供されており、こうしたものが後追いで提供されるのかも

  • Quark X1000はADCやPWMなどの周辺回路は持っていない。そこで無理やりSPI Expander経由でADCやPWM/GPIOを取り付け、これをI/O pinにつなげるという力技構造。
  • I/O電圧は5Vと3.3Vに対応。なので5V I/Oの周辺回路をそのまま利用できるっぽい。
  • Mini-PCIeスロットは標準のPCIe 2.0で、取りあえずはWi-FiやBluetooth、携帯電話のモデムなどの接続を想定している模様。Intelからは、Wi-Fi Libraryが提供される。
  • 標準でSPIポートが用意され、このためのライブラリも用意される。
  • UARTが2ポートあり、うちUART 0はArduino Unoと同様に1/2番ピン(TX/RX)に割り当てられているが、これとは別にUART 1とRS-232C XCVRも搭載され、これを使って外部との通信も可能。
  • JTAGポートが標準装備

というあたりである。

さて、このGalileoのおかげで、Quark X1000のスペックももうすこし正確に分かった。以前こちらでスペックの推察を行ったが、

  • Mini PCIが出ていると思ったのはMini-PCIeの間違い。この写真から考えるに、最低でもPCIe x1レーンが2本は出ている計算になる。実際は4本位あるかもしれない。
  • メモリはDDRではなくDDR3であった。ただしメモリバス幅はx16。
  • 動作周波数は400MHz。
  • その他の周辺回路はおおむね想定どおり。一応RMII(10/100BASE-T MAC)とUSB Host/Device、GPIO、UART×2が搭載されている事はまちがいない。

といったあたりが異なる部分であった。

当面価格などはハッキリしないが、Maker向けとなると$100を超える価格というのはちょっと考えにくい。その一方で、これだけ重装備のボードとなると原価でも結構な金額であり、$50未満というのも想像しにくい。なので、販売価格はこの間になるのではないかと思う。PCWorldの記事によれば、Mike Bell氏(VP and General Manager of the New Devices Group,Intel)は$60前後を考えているとの事。とりあえず発売が楽しみではある。

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