iPhone 5sはデザインこそ変わっていないが、Appleが誇る「次世代機」としてまだまだ高いポテンシャルを秘めている。Appleが新たに搭載した各種ハードウエアは、Appleが示す以外にApp Storeを通じてアプリを配布・販売する開発者によってその使い方が見出されることになる。

64ビットプロセッサのA7は、より高度な3Dゲームやグラフィックス処理に利用されることが見込まれる。例えばAppleはA7を生かしてカメラの画像処理の性能を高め、より高画質が得られるようにしたり、連写や動画撮影などの新たな機能を追加した。カメラアプリはApp Storeでも人気があり、こうした処理性能を生かして今までにない写真や動画の撮影が行えるようになるかもしれない。

例えば米国ではLytroと呼ばれる撮影してからフォーカスを自由に変えられるカメラが販売されている。このカメラは複数のレンズから異なるフォーカスの画像を1回のシャッターで記録するという仕組みだが、こうした写真をiPhoneで作れても面白いだろう。

またバーストモードで撮影した写真をGoogle+にアップロードすると、Google+の昨日で自動的にアニメーションGIFを生成してくれて、パラパラマンガ風の高画質写真を簡単に作れる応用が可能だ。

モーション・コプロセッサであるM7向けには、Nikeなどが活動量を測るアプリをリリースしている。Movesは歩数と移動経路、徒歩やランニングといった情報をアプリだけで記録できる仕組みだが、新しいAPIとM7に対応すれば、それまで懸案だった電池の消費を抑えることができる。

今後アプリの充実で、iPhone 5sの魅力は日を追うごとに大きくなっていくだろう。iPhone 5cよりも米国では100ドルほど高い値札が付けられており、日本でも実質負担金で差がついているが、向こう2年使う際の先行投資として考えても、損はないはずだ。