海外旅行先でスマホを現地購入して活用してみよう。予算は1万円。今回はドイツのベルリンでT-Mobileの1万円スマホを購入してみた。

VodafoneはSIM別販売だった

ドイツは各通信事業者がSIMロック付きで携帯電話を販売しており、最近ではプリペイドスマホの販売も活発だ。ドイツの大手事業者はT-Mobile、Vodafone、O2、Eplusの4社。このうちT-MobileとVodafoneが種類も揃っており買いやすい。ベルリンやフランクフルトなど大都市であれば事業者店舗のスタッフも英語のできる人がいるので安心だ。購入予算の1万円は、2013年9月時点の為替レートで75ユーロとなる。

今回の訪問地はベルリン。まずは繁華街にあるVodafoneへ立ち寄った。同社は自社ブランドスマホを販売しており、訪問時は「Vodafone Smart III」が77ユーロとほぼ予算圏内。だが3カ所立ち寄った店のいずれでも「プリペイドSIMは別途45ユーロ」と言われてしまった。本来VodafoneのプリペイドSIMは15ユーロで1カ月データ定額(速度制限あり)のはず。ちょうど大型展示会「IFA2013」の会期中に訪問したので、外国人訪問客には高いものしか販売しなかったのかもしれない。SIMだけに約6000円は予算オーバーでもありこちらでの購入は断念することにした。

今回のベルリンではいい印象の無かったVodafone

4インチ画面のVodafone Smart III

ドイツ地元のT-Mobileで1万円スマホを購入

VodafoneをあきらめてT-Mobileへ向かったところ、こちらが外国人と見るやスタッフが「SIMカード?それとも携帯が必要?」と声をかけてきた。プリペイドスマホが欲しい、予算は75ユーロくらいと伝えるとSonyのXperia Eを紹介してくれた。79.99ユーロと若干予算は超えてしまうが、1ヶ月定額のプリペイドSIMも付属でこの価格とのこと。但しデータ通信は200MBまでが3G、それを超えると2Gに速度制限されてしまう。とはいえ滞在期間は数日、ホテルに戻ればデータ通信はWi-Fiを利用すれば間に合うだろうと考えこれを買うことに決めた。

ところがやはりIFA2013の開催中だったためか、ちょうど在庫が切れて入荷は明日になってしまうという。これより上のSamsung GALAXY Youngが88ユーロとのことだが、どうせならば1万円前後のものが欲しい。スタッフに調べてもらうと、カタログ落ちしたもののまだ一部店舗で売っているという、AlcatelのOT-991Tが79.95ユーロで在庫があるという。OSはAndroid 2.3で一世代前の製品だが、日本円換算で約10740円と予算レベルなのでこちらを選ぶことにした。

T-Mobileの店舗

低価格スマホを数機種ラインナップ

ドイツではプリペイドSIMの購入にはユーザー登録が必要なので、パスポートやホテルの住所の提示が必要だ。必要事項はスタッフが記載してくれるのでこちらはサインをするだけ。作業が終わるまで15-20分ほど時間がかかる。すべて終わったら、付属のSIMを端末に装着すればよい。30分程度で利用できるようになると言われたが、電源を入れるとすぐにアンテナマークが立ちデータ通信も開始、即座に使い始めることができた。メニューは日本語にはならないが英語になるので困ることはない。

購入したAlcatelのプリペイドスマホ

低スペックだが短期利用なら十分だろう

だが使い始めてみると3G通信が200MBで上限というのはやや物足りない。外を歩きながらGoogleマップを見たりFacebookに写真投稿を繰り返すとあっという間に達してしまう。データ通信を多用したい場合は別途T-Mobileのデータ通信専用プリペイドSIMもあり定額利用を謳うが、そちらも3Gの上限は500MB、それ以降は2Gに速度制限される。ちなみにデータ通信用プリペイドSIMの価格は9.95ユーロ、料金は2.95ユーロ/日、7.95ユーロ/週、14.95ユーロ/月のそれぞれから選択する。毎日データ通信を多用する人は2.95ユーロプランを日々更新するのがよい。

なおそれ以外の選択枝としてT-MobileのMVNO、Congstarのプリペイドスマホを買う手もある。CongstarはT-Mobile店舗で扱われており、スマホセットも数は少ないが扱っている。今回訪問時はHTCのエントリーモデルがプリペイドSIMセットで89ユーロだった。Congstarも付属のSIMで速度制限ありのデータ定額利用が可能だが、別途オプションでデータ利用量を付加できる点が本家のT-Mobileと異なるところだ。データオプションは9.9ユーロ/500MB/月、12.9ユーロ/1GB/月、19.9ユーロ/3GB/月となる。

T-MobileのMVNO、Congstar

Firefox OSの低価格スマホも販売開始

CongstarはPCから自分でユーザー登録を行う必要があるが、ドイツ語の登録画面なので翻訳アプリを併用ながら作業を進める必要がある。とはいえデータ通信を多用したい人はこちらを買うことも検討したほうがいいだろう。

ベルリンのまとめ

Alcatel OT991T(1カ月定額プリペイドSIM付属)
価格 : EUR79.95(約10740円)

(記事提供: AndroWire編集部)