Magic xpaのメリットを実際に体験してほしい!

ハンズオンセミナーの様子

連載第1回では、マジックソフトウェア・ジャパンの「Magic xpa Application Platform」の利点を述べたが、言葉だけではなかなか伝わりにくい部分もあったことだろう。そこで同社では、実際にMagic xpaで簡単なアプリケーションを作成する無料のハンズオンセミナーを定期的に開催している。

筆者もハンズオンセミナーに参加し、Magic xpaでアプリケーションを“開発”することに成功した。今回は、その体験をレポートしたい。筆者はプログラミングにはあまり詳しくなく、きっと付いていけないだろうと思っていたが、それは杞憂にすぎず、Magic xpaならば、初級者でも簡単にアプリケーションを作成できてしまうのだ。

キーボードだけでも開発可能 マウス中心でもスムーズで使いやすい

今回の講師は、マジックソフトウェア・ジャパン ソリューション本部プロフェッショナルサービス部コンサルタントの佐藤公二郎氏が務めた。

今回のハンズオンセミナーでは、ノートブックPCとAndroidタブレットを使用した。PCにはMagic xpaと、Webサーバとして「IIS」、データベースサーバとして「Microsoft SQL Server Express Edition」が稼働している。Android端末は、RIA(Rich Internet Applications)開発を体験するため無線LANで接続されている。また今回は、あらかじめ用意されたデータベース(顧客マスタ、商品マスタ、上場企業データ)を利用した。

パソコンとAndroidタブレットでアプリケーションを開発する

Magic xpaは、ほとんどの設定や表示などがマウスを中心に操作することができる。佐藤氏の解説によれば、開発を高速化できるように、よく利用する作業はキー操作だけで扱えるようにショートカットが豊富に用意されている。操作に慣れると、キーボードからほとんど手を離さずに、どんどんアプリケーションを定義していくことができるという。逆にマウス中心の操作でも、少しキータッチが必要になるくらいで、問題なく開発を進めることができる。

数クリックの設定でデータベースを操作できるようになった

最初の作業は、データベースを定義することだ。任意の名称(今回は、ハンズオンBP)を付けて、すでに用意されているMicrosoft SQL Serverをマウスクリックで指定するだけである。

Magic xpaの開発は「プロジェクト」単位で管理される。プロジェクトは、「モデル」「テーブル」「プログラム」「ヘルプ」といった“定義(リポジトリ)”から構成され、これを指定していくことでアプリケーションが開発できる。

まず、新規作成で「MyProject」プロジェクトを作り、続けてモデルを登録する。モデルリポジトリでは、共通して使われるデータ項目やGUI部品(フォーム、ボタンなど)の特性を定義する。今回は、Android端末へ対応するため、タブレットのサイズに合わせて表示形式などを設定したモデルを作っておく。

Magic xpa全般に言えることだが、各項目はマウスでダブルクリックするかF5キーを押すことで「ズーム」でき、手軽にパラメータを入力することができる。キーボードでの打ち込みが少なくなり、入力ミスが軽減される。

次に、事前に準備してあるSQL Serverからテーブルの定義を取得するため、データリポジトリを設定する。と言っても、リスト画面で「定義取得」をクリックし、先ほど作った「ハンズオンBP」を指定して、必要なデータソースを選択するだけでよい。

マニュアル:顧客データベースの登録が完了し、すでにデータベースを照会できるようになっている

たったこれだけの設定で、実はすでにデータベースへのCRUD(Create/Read/Update/Delete)が可能になっている。実際、Magic xpaのAPG(Auto Program Generator)機能を用いて、データベースの内容を閲覧したり、修正したりできるプログラムが自動生成されたことが確認できた。

マウスしか触ってないのにデータベースアプリケーションが完成

さて、ここからが本番だ。今度はもう少し本格的に、クライアント/サーバ型のアプリケーションを作る。

アプリケーションを作る際には、プログラムリポジトリを定義する。APG機能を起動して、プログラムのモードを「照会」にし、スタイルを「スクリーン」に設定して「OK」をクリック。

実はこれだけで、すでに照会プログラムは完成だ。プログラムリポジトリのリストを選択して実行すれば、データベース照会プログラムが起動する。何も設定しなくとも、PageUp/Downキーでデータを次々表示できる。

マニュアル:たった数クリックでデータベースを照会するWindowsプログラム(フォーム)が完成

佐藤氏の解説によれば、このようなデータを参照するプログラムをベースとし、テーブルに対するレコードのループ処理を「タスク」として登録していくことで、データベースアプリケーションを作っていくことができるという。タスクの各ステップで行うべき処理は「ロジック」として定義する。

ポイントは、下記のような低レベルの処理は、Magic xpaのエンジンが自動で行ってくれるという点だ。この部分を開発者が考える必要はなく、ループの各ステップでロジック(ビジネスロジック)を考えることに集中できる。

  • テーブル、ファイル、内部データの初期化・終了
  • レコードフェッチ、修正データの書き込み
  • データベースソフトウェアに依存するSQL文の違い

Magic xpaは、画面表示(フォーム)の編集も簡単だ。フォームエディタで直接サイズを入力したり、ドラッグでパーツを組み込んだりと、図形描画ツールのような感覚でウィンドウを生成することができる。

マニュアルなどなくても、パレットやコマンドのアイコンから何ができるのかはすぐわかる。直感的な操作性もMagic xpaの特徴の1つだ

次に、受注データの「顧客番号」をキーにして、顧客マスタからレコード(顧客情報)を引っ張ってきて画面に表示するというアプリケーションを作る。Magic xpaでは、この1対1の関係は「データリンク」によって実現される。

まず「タスクエディタ」を開き、顧客番号に対する照会リンクを設定して顧客マスタを紐付ける。次に顧客番号をカラムコマンドで追加して、検索条件を設定する。さらに顧客名と住所のデータを「カラム」コマンドで読み込むという具合だ。最後に、フォームエディタを開き、追加したデータをドラッグ&ドロップでウィンドウ上に配置して、サイズと位置を調整するだけである。

データベースの顧客マスタと受注データからデータを引っ張ってくるアプリケーションが完成した

いよいよAndroidアプリを起動 RIAもマウス一本で!

いよいよ、Android端末に対応したRIAの開発へ移る。今回は、上場企業データから企業名とホームページURLのリストを表示するアプリを作る。

プログラムリポジトリに新しい行を追加し、APG機能を開いて「リッチクライアント」に設定。参照するカラムを選択して、最初に作成しておいたAndroidタブレット用のモデルリポジトリを選択しておく。タブレットでの利用を想定しながら、フォームを埋めてサイズを調整する。こうしてできたアプリケーションは、Windowsマシンでも容易に稼働する。

上場企業のリストを表示するリッチクライアントアプリケーションをWindows上で起動した

このアプリケーションは、すでにAndroidでも動かすことができる。さらに、URLをタップしたらWebブラウザからアクセスできるようにする。ロジックウィンドウに追加するのは、たった2行。URLを「クリック」するという“イベント”が発生したら、「外部コントロール」でブラウザを起動することを指定するだけだ。

マニュアル:背景色の調整は必要だが、少し設定をしただけでAndroidアプリが稼働している

今回筆者が体験したのは、ごく簡単なアプリケーション開発に過ぎないが、ほとんどマウス操作だけでAndroidへの対応も実現できた。複雑な処理をするアプリケーションであっても、操作の基本は変わらない。

佐藤氏によれば、ある開発会社では少人数のエンジニアがビジネスロジックの設計に注力し、Magic xpaでのプログラミング作業はオフショアのパートナー企業に任せているという。

よりよいアプリケーションを短期間で開発するためには、優秀なエンジニアがビジネスロジックの開発に集中できる環境が必要である。Magic xpaは、その環境を提供できる開発プラットフォームである。

講師の佐藤氏はわからないことがあっても直接指導してくれた