9月2日、KDDIはLTE通信についての発表会を行なった。ご存知のように、今年4月から5月末にかけてLTE通信障害を起こし、auのスマホにおいてデータ通信や音声通信が利用しづらい状態に。今回の発表会では対策とその後についての説明に加え、これからのKDDIのLTEネットワーク戦略が明らかになった。

プレゼンに登場したKDDIの田中孝司代表取締役社長

通信障害問題に対して対策本部を設け全社的に対処

問題となった通信障害は、MME(LTE基地局制御装置)がバグによりダウンしてしまったことが原因だった。6月10日に行われた障害における会見では、KDDIでは障害を根本的に対処し、スマートフォンの時代に見合った通信を確立すべく、田中社長を本部長とする「LTE基盤強化対策本部」を新設すると発表していた。

通信障害の対策への取り組みとして、原因となった2つのバグの対処に加え、MMEの各種処理に使われる「呼処理カード」の性能向上、とソフト・ハード両面からの品質向上を行なったとのこと。併せて、作業手順の見直しなど運用面での品質向上や、何か問題が起きた時に高い負荷に耐えられるようMMEを増設。障害の会見を行った6月10日時点では19台だったMMEが8月末時点では60台になり、引き続き増強中だという。今回の発表でKDDIはLTE通信障害の対処を完了したとし、田中社長は「障害対処フェーズ」からさらに通信の確実性を高める「ネットワーク強化フェーズ」に移行したとのこと。

また、通信障害への対処と併せて、利用者の満足度を向上させ信頼回復につなげるため、LTE基盤強化対策本部内に、利用者の声を集めて運営に反映させる「お客さま満足度向上ワーキンググループ」も設置。イベントの時には、利用者の意見をリアルタイムで収集してトラフィック対策に反映させるという方法を確立し、この夏も全国約370イベントでつながりやすさを実現したという。

通信障害への対策で、2つのバグ対応は当初の予定よりも前倒しで行われた