ドワンゴは9月2日から毎朝、エンジニア生活習慣改善企画として「女子マネ弁当」企画を実施することを発表した。

生活が不規則になりがちなエンジニアの生活を改善すべく、女子マネ、すなわち女子マネージャーと一緒に朝方の規則正しい生活をサポートする企画だという。第一弾となる「女子マネ弁当」企画では、毎朝えんじ色のジャージを着た女子マネがラジオ体操を実施。その後、カフェテリアスペースで女子マネからお弁当を受け取ることができる。

ドワンゴらしいユニークな企画だが、"女子マネとラジオ体操"と言われてもいまいちピンとこない。28日に行われたお披露目会に参加して、企画の全貌を取材してみることにした。

エンジニアが集まる11階フロア

「女子マネ弁当」企画のスタートは毎朝10時半のラジオ体操からスタートする(ただしこの日は通常よりも1時間遅めの11時半からスタート)。エンジニアが多く集まる11階フロアに設置された台の上に登場したのは……えんじ色のジャージを着た女子!

紛うことなき女子マネ

ああ、これは紛れもなく「女子マネ」である。部活でストップウォッチを手にタイムを計ってくれたり、ベンチに下がった選手に冷えたタオルを渡してくれたりする、あの「女子マネ」である。部活にマネージャーがおらず、そもそも出身校のジャージの色がえんじ色ではなかった筆者にはそんな記憶は微塵もないのだが、こうして見ていると何だか記憶が塗り替えられてえんじ色だった気がしてきた。

女子マネの皆さん

そうこうしていると、懐かしいBGMと共にラジオ体操第一が始まった。女子マネの軽快な動きに合わせて体を動かすエンジニアたち。おそらくこの日はお披露目会ということでいつもより早く出社してきたのだろう。まだ眠そうな顔もちらほら見える。

なんだこの光景

おそらく何十年かぶりにラジオ体操をするエンジニアたち

ラジオ体操をやり終えたら、スタンプカードにスタンプを押してもらう。このスタンプと引き換えに、「女子マネ弁当」がもらえるというわけ。スタンプは別の日に引き換えることも可能だ。ちなみに一カ月間、休まずスタンプを集めると皆勤賞として何かご褒美がもらえるらしい。内容は現在検討中とのこと。ラジオ体操部分に関しては4半期ごとに変更する予定で、各担当者が持ち回りで"生活習慣改善"をテーマに企画を立案する。体操だけでなく、例えば「ヨガ」などを取り入れることも考えているらしい。一方で「女子マネ弁当」の配布については変わらず継続的に行うという。

スタンプカード

裏にはかわいい文字で名前が

ラジオ体操に参加するとスタンプを押してもらえる

女子マネとお話するチャンスである

さて、ラジオ体操も終わったので12階カフェテリアへ移動。ここで女子マネ弁当が配布される。この日はお披露目会で参加者も多かったため、かなりの大行列ができていた。スタンプと引き換えにもらえるお弁当は通常、カフェテリア内で販売しているものよりも少しだけグレードアップされているという。これが無料配布、かつ可愛い女子マネのスマイルと共に受け取れるのだから、早起きするかいがあるというものだ。ちなみにメニューは鯖弁当やカレー、唐揚げ弁当など6~7種類から選ぶことができ、日々内容も変わっていくという。

大行列

女子マネから手渡しでお弁当がもらえる

夢のような時間

お弁当の種類は6~7種類

和洋中とバランスよくそろっている

今回の企画には関係ないけど、社内にはタリーズもあります

ステーキ弁当を試食させてもらった

ステーキ弁当を試食させてもらったが、ボリュームがあり味も美味しかった。普通に町のお弁当屋やコンビニで販売しているものよりも、たしかにワンランク上の弁当である。なお、圧倒的一番人気は唐揚げ弁当であった。

IT企業には"食"にこだわった福利厚生を実施している企業が多いが、今回の「女子マネ弁当」企画はドワンゴならではのユニークな内容だ。そもそもなぜこの企画が始まったのか。

企画者であるプラットフォーム事業本部 本部長代行・伴龍一郎氏によると、発案者はドワンゴ会長の川上氏であり、数年前から話は出ていたが、本格的に企画が進み始めたのは2013年からとのこと。5月20日から6月14日にかけて企画対象者を中心にテストマーケティングを実施し、アンケートの反響をもとに今回の実施に至ったのだという。テストマーケティング時は女子マネがお弁当の受注をして手書きのメッセージカードを添えて配布するという内容だったが、さすがにそれは大変だったのでなくなったのだとか。

企画者の伴龍一郎氏

最大のこだわりポイントは上履き

気になる女子マネの衣装(?)だが、これは伴氏が主に過去にプレイしたゲームの内容を参考に考案したもの。特注品というわけではないが、ジャージの色などにはこだわっており、中でも最大のポイントは「上履き」だという。「かかとをつぶして履いている女子マネもいて、リアルだなぁと思いました」と語る伴氏の目は澄み切っていた。

肝心の女子マネは、この企画のために募集をかけて雇ったらしく、人件費にお弁当代も考えると、かなりの予算が投入されているようだ。女子マネとかラジオ体操とか、一見すると単なるネタのように思えるが、実際はかなり真面目な企画なのである。

今後、「女子マネ弁当」企画は、ドワンゴのプラットフォーム事業本部、株式会社キテラスのエンジニア(※一部エンジニア以外も)を対象に継続して行っていくとのことだ。