バリ・ヒンドゥー哲学トリ・ヒタ・カラナを表す水利システム「スバック」

アジアの高級リゾートとして人気のインドネシア・バリ島は、パワースポットの多い島としても有名。バリ島に住む人の9割以上はバリ・ヒンドゥー教の信者で、身近な自然に神を感じ、生活の中には当然のように聖なる場所が存在している。自然と共存する生き方に共感できる人にとっては、 バリ島そのものがパワースポットと言えるかもしれない。

天からの恵み=水を協同で管理

バリ島は2012年に初の世界遺産を果たしたが、これはバリ島民の古くからの価値観や人生観が高く評価されたものである。「神と人と自然の調和が最高の幸福をもたらす」とするバリ・ヒンドゥー哲学=“トリ・ヒタ・カラナ”の考え方は、天からの恵み=水を協同で管理する「スバック」というシステムを生み出した。

スバックの中心には「水の寺院」がある。神の協力も得た協同水管理システムが、バリ島を豊かな米の生産地に育て上げた。この世界遺産の具体的な登録範囲は、5つの棚田とそれらの寺院、更に水路や堰(せき)を含む水利システム。古いものは9世紀に遡り、最も有名な登録物件は18世紀の王族の寺院、タマン・アユン寺院となっている。この寺院も島内で最も霊験あらたかな場所と言われている。

次回「世界遺産検定」は……

2013年秋の特別開催
実施日: 2013年9月22日(日)
申し込み締め切り: web8月26日(月)18時
実施級: 2級・3級
開催都市: 東京・川崎・名古屋・大阪
申し込みは世界遺産検定公式WEBサイトにて