累計発行部数70万部を超える、越谷オサムのベストセラー小説『陽だまりの彼女』が映画化され、10月12日より全国公開される。主人公・浩介を演じるのは、『花より男子ファイナル』以来5年ぶりの映画となる嵐の松本潤、ヒロイン・真緒役は『のだめカンタービレ 最終章前・後編』以来3年ぶりの映画となる上野樹里。ふたりは、本作が初共演となる。

上野樹里(右)と三木孝浩監督

物語は、10年ぶりの運命的な再会を果たした浩介(松本潤)と真緒(上野樹里)をとりまくファンタジック・ラブストーリー。ふたりはやがて結婚を決意するが、真緒には誰にも知られてはいけない"不思議な秘密"があった……。秘密を抱えながらも一途に愛する真緒をどう演じ、描いたのか。真緒役の上野樹里と三木孝浩監督に話を聞いた。

――原作を読んでみていかがでしたか。

上野「陽だまりみたいなふたりのあったかい空気に親近感がもてましたね。最後は浩介の気持ちに感情移入して泣けました。原作と比べて、映画はよりファンタジー要素があるので幅広い年代の人に楽しんでもらえると思います」

三木「中学時代から想い合い、大人になってもその感情を持ち続けているってそれ自体がファンタジーですよね。いわゆるラブストーリーは大人の駆け引きを描くものが多いけど、もっと純粋でシンプルな愛情の部分にグッときました」

――撮影でこだわったポイントとは?

三木「大人になったふたりが再会するシーンですね。魅力的になった真緒に浩介がハッとさせられる感じを、リアルに出したいなと思ったんです」

上野「あのシーンはカメラ目線でしたね(笑)」

三木「そう。観ている人が浩介と同じように『あれ、この子見たことあるけど知っている人となんかちがう』みたいな、上野樹里にドキッとさせられる感じを出そうと。だから、あのとき相当ダイエットしていたよね?」

上野「無意識で痩せていくんです。役のイメージがあると、それだけでお腹も空かなくなって。でも徐々に現場のお弁当がグレードアップしたり、寒いからスタッフさんがスープを作ってくれたり、私も空き時間に差し入れを買いに行ったりで、だいぶ戻っちゃいましたね(笑)」

――ちょっと不思議でキュートな真緒の魅力とは?

上野「玉山鉄二さんが演じる上司からアプローチされても真緒はきょとんとしているのに、浩介が来たらすぐ飛びついて行っちゃうところとか、わかりやすくてかわいいですね。上司の気持ちに気づいてないわけじゃないけど、距離感はほどよく意識していて」

三木「これだけ自分の前でフルオープンな女性って、男性から見れば愛おしくなると思いますね。無邪気でどこに行くかわからないけど目が離せなくて、男性も『あーもう!』とか言いながら振り回されているのが意外と気持ちいい、みたいな(笑)」……続きを読む