黄大仙祠は1915年に建立。最近改装が終わった本堂は鮮やかな中国式のカラー

香港の人なら1年に1度は必ず行くという黄大仙(ウォンタイシン)祠は、年間300万人もの人が参拝に訪れる道教の寺院だ。ただここ、由緒正しき寺院なのだが、ちょっと「えっ本当に!?」とびっくりせずにはいられない魅力も備えているのだ。

本当に赤い糸で結ばれた神様

この寺院には、神からどんな病気でも治す薬の作り方を教わったという医者でもあった黄大仙が奉(まつ)られている。元々病気治療にご利益があるとされていたのだが、今では願掛けや占いなどすべての望みをかなえる(=当たる)ということで大人気の場所なのである。

ゴールドに輝く“縁結び”の神様“月下老人”が、赤い糸を繋(つな)いでいる

広大な土地には見どころがたくさんあるのだが、今回注目したのが“縁結び”の神様・月下老人。名前もロマンティックなこの神様。なんと、右手には女性、左手には男性の像が赤い糸で繋(つな)がれている。

入口には赤い糸というか赤いひもが置いてあり、結び方の解説が掲示されている。これによると、両手を組み合わせて赤い糸を指に挟み、神様へ参拝するのだという。 参拝が済んだあとは、月下老人から男女に導かれている糸をつないだ太い糸(ひも)に巻きつけるというもの(女性は男性側に結び、男性は逆)。まさに、オドロキの“赤い糸”のための“赤い糸のお祈り”なのである。

赤い糸を奉納するための指の組み方も説明されているが、実際に組んでみると意外と難しい……

占いの後に「ラストアンサー」チェック

ちなみにご本尊を奉る本堂前には、座布団を持ち込みひざまずいて参拝している人がひっきりなしに出入りしている。しかしこの熱心な参拝者をよく見てみると、お参りをしながら同時におみくじを引いている(おみくじを振っている)のだ! 金運、健康、縁結びのほか、賭けごとまで何でも聞いてくれるので、毎月でも毎日でもそのお告げを聞くために、おみくじを振りに来るらしい。

果物や生肉などを奉納しながらおみくじを引き、良い結果が出たらまたお礼にお供え物を捧げるとか

おみくじは、日本のように小さな穴から棒を出すのではなく、願いごとや聞きたいことを念じながら、自分でおみくじ棒(竹棒)が100本入った筒を丁寧に振り続ける。10秒くらい振ると自然に出てくるのだが、この1本が念じたことへのお告げだ。

が、竹棒が出てきて終わりではない。「でも、本当にそれでいいのか?」という疑問に答えてくれる“聖杯(センブイ)”という木製の半月形をした茶色の木片が、ここで登場する。これを2つまとめて投げて重なる向きで落ちたらそれが“正”なんだとか。

竹の筒と竹棒を使う占いは「黄大仙箋」という。“聖杯”(右端)は2枚でワンセット。占いの正否を占ってくれる

両方内側が上を向くなど、同じ向きの場合は“否”。3回繰り返しても否の場合は、もう一度おみくじを引き直しなさいという啓示なのだ。 占いの行方を占うというちょっと変わった仕組みだが、 疑い深い人や嫌いな数字が出た人は、おみくじの出し直しにチャレンジしてみるのもいいだろう。

参道で売っているお守りも財運、縁結び、交通安全など様々な種類がある

つまるところ、風水都市・香港では、納得のいくまで開運を祈ることができるのだ。