木柱の高さは8~10m、青空に突き刺す柱の群れは圧巻! 2001年頃の社会不安が蔓延していた頃、中国国学者が38本の木柱を制作し、寄付したのが始まりだそう

香港には風水占いを基に作られた気の流れのいい開運スポットがそこかしこにあり、言ってみれば香港全体が開運エリアみたいなもの。それはもちろん、街中だけではない。中でも、有数の自然が残されているランタオ島の山中には、突き抜け感がたまらない最高のパワースポット「心経簡林(ハート・スートラ)」(英語名:WISDOM PATH)があるというのだ!

無限大の形に並ぶ、般若心経の巨大な札

自然に恵まれ風水的にも特にいい気が流れていると言われるゴンピン高原。ゴンドラ「ゴンピン360°ケーブルカー」で、ここの玄関口であるゴンピン・ビレッジに降り立ち、道案内を頼りに遊歩道を歩く。道はハイキングコースになっているらしく、山ガールならぬ欧米人の山ファミリーなどとすれ違う。途中、トトロが出てきそうな鬱蒼(うっそう)とした木々に覆われた廃屋などもあって、香港にいながら山間の農村に迷い込んだかのようだ。

木柱には心経が刻まれている

途中の道はハイキングコースにもなっていて、森林浴が楽しめる

15分ほど歩くと視界が開けてくるのだが、そこには突き刺さるようにして無限大の形(いわゆる8の字)に並んだ、38本の木柱が! ここが目的地「ハート・スートラ」である。木柱にはそれぞれ般若心経の一説が書かれていて、風水的にも気が集まる場所と言われているそうだ。

最後の木柱は“無の境地”

丘に向かって縦に円が並んだ形になっているのだが、下側の円は真ん中がちょっとした休憩スポットになっている。まずはこの木柱の中でパワーチャージを。チャージが完了したら、上側の円へ。外側に階段があり、木柱に沿って登っていくと、一番上の木柱だけ心経が書かれておらず、無地。「空」=無の境地を意味するそうだ。

この木柱の前に立つと、下から吹き上げる涼風が心地よく、柱の向こうに見える緑の鳳凰山も手に取るように近い。何だか身体の中も風が通り抜けていく気がする。澄んだ空気と空の青さに包まれて心も身体も浄化される、最高のパワースポットなのだ。

向かいに見える鳳凰山にも守られているような気になる

268段の先に鎮座する世界一の大仏様

更にパワーをもらいたいなら、般若心経への賢者の道に進む手前にある、屋外の座像世界一の大仏様・天壇大仏の元へ。そのためには、268段という階段を上らなくてはいけないので、ハート・スートラとどちらも巡るにはかなり覚悟がいるのだが、近くで見る価値は十分ある。

日本の大仏と比べると目が開いていて唇もふっくら

階段は斜度もありキツイが、登った後の達成感と景色に大満足

天壇大仏は1989年に完成し、開眼供養は1993年。台座の下は釈迦の生涯を紹介する展示室になっている(一部有料)。大仏様の迫力だけでなく柔和な顔立ち、丸みをおびた優しそうな背中から、南シナ海を見渡せる美しい景色まで、見どころ満載だ。是非仏様からもエネルギーをもらっていただきたい。

●information
心経簡林(ハート・スートラ)
日の出から日没まで拝観可能だが、辺りに電灯などはないので暗くなるまでに下山を
天壇大仏
入場無料/拝観時間10:00-17:30