日経BPコンサルティングは7月19日、「第2回全国LTE/4Gエリア調査」の調査結果を発表した。同調査では、全国約1800カ所における主要3キャリアのLTE/4Gのエリア化率、通信速度の実態を調べた。調査結果によると、今年3月に実施された第1回の調査に引き続き、LTE/4Gのエリア化率ではNTTドコモが再び首位となったという。

同調査は、全国約1800箇所における大規模調査となっていて、第1回の調査地点である1000カ所に、「ウォーターパーク・海水浴場」「道の駅」「高層ビル・タワー」など、夏の行楽シーズンに訪れる機会が多い場所を加えた計1793箇所で実施。測定ポイント数は2147となっている。期間は2013年6月26日から7月15日まで。調査端末には、NTTドコモの「Xperia A」、KDDI(au)の「iPhone 5」「HTC J One」、ソフトバンクモバイルの「iPhone5」「AQUOS PHONE Xx」という各キャリアのAndroid端末とiPhone 5を使用した。

結果をまとめると、全国のLTE/4Gのエリア化率ではドコモが首位となったほか、通信速度測定では、平均ダウンロード速度が最速だったのはドコモの「Xperia A」、平均アップロード速度が最速だったのはKDDIの「HTC J One」だった。

全国約1800カ所におけるLTE/4Gのエリア化率No.1は、前回同様にドコモ

まず、日本全国の主要箇所でLTE/4Gがつながるかどうかというエリア化率では、ドコモがもっともLTE/4Gのエリア化率が高く、98.6%だった。KDDIのAndroid端末が97.8%となって2位となり、次いでソフトバンクのiPhone 5(93.9%)、KDDIのiPhone 5(84.4%)、ソフトバンクのAndroid端末(80.4%)の順になっている。

全国約1800カ所における各キャリア・端末のLTE/4Gエリア化率

各キャリアのLTE/4Gエリア化率の地域別・カテゴリー別の結果

また、調査地点をカテゴリー別に見ると、「ホテル・宿泊施設」「空港」「官公庁」「複合施設」では、ドコモのLTE/4Gエリア化率が100.0%と他社に比べて高かった。一方、KDDIのAndroid端末は「駅」「大学」におけるエリア化率が高い結果となった。

さらに、夏の行楽シーズンに訪れる機会が多い場所での調査では、東京スカイツリーをはじめとする「高層ビル・タワー・展望施設」や「ウォーターパーク・海水浴場」で、もっともLTE/4Gが利用できたのはドコモ(100.0%)だった。また、「PA/SA・道の駅」においては、KDDIのAndroid端末(89.8%)が首位となった。

なお、世界遺産に登録され、話題となっている「富士山」「三保の松原」でも調査が行われ、LTE/4Gのエリア化率がもっとも高く、通信速度がアップロード・ダウンロードともに最速となったのはドコモだった。

富士山・三保の松原におけるLTE/4Gエリア化と通信速度の調査結果

ダウンロード速度No.1はドコモの「Xperia A」。前回調査から大幅アップ

続いて、通信速度測定の結果では、測定した5機種のうち、平均ダウンロード速度が最速だったのはドコモのAndroid端末「Xperia A」で、25.00Mbpsだった。なお、前回の調査でドコモは16.06Mbpsの第3位だったため、他社に比べて大幅にダウンロード速度が向上したことになる。なお、平均ダウンロード速度の2位は、KDDIのAndroid端末で21.77Mbps、3位はソフトバンクのAndroid端末で21.36Mbpsとなり、iPhone 5よりも各社のAndroid端末のダウンロード速度のほうが速い結果となった。

各キャリア・端末の通信速度測定における平均ダウンロード速度

地域別・カテゴリー別の平均ダウンロード速度の測定結果

なお、平均アップロード速度では、KDDIのAndroid端末である「HTC J One」が10.20Mbpsを記録し、首位となった。次いで、ソフトバンクのiPhone 5(8.23Mbps)、ドコモのAndroid端末(6.72Mbps)、KDDIのiPhone 5(5.35Mbps)、ソフトバンクのAndroid端末(3.11Mbps)の順になった。

各キャリア・端末の通信速度測定における平均アップロード速度

地域別・カテゴリー別の平均アップロード速度の測定結果。本稿の画像の詳細は日経BPコンサルティングのWebサイトで確認可能

今回、全国約1800カ所という大規模で実施されたLTE/4Gエリア調査では、全国の主要地点におけるLTE/4Gエリア化がもっとも進んでいるのがドコモであることが明らかになった。また、通信速度測定の平均ダウンロード速度でも、ドコモの「Xperia A」が首位となった。このことについて、日経BPコンサルティングでは、「(ドコモの)LTE設備の増強・拡大が順調に進展している結果」と述べ、さらに「112.5Mbpsサービスのエリア拡大が平均速度を押し上げたと見られる」と考察している。

また今回の調査では、夏に訪れる機会が多いレジャースポットでも調査が実施されたが、高層ビル・タワー・展望施設やウォーターパーク・海水浴場、そして富士山においてもドコモのLTEが強さを見せており、これから行楽シーズンを迎えるにあたり、ドコモユーザーにとっては心強い結果となっている。