『ツインビーPARADISE』『君のぞらじお』など、アニラジファンなら一度は聞いたことがある番組を数多く手がけ、90年代の声優・アニラジブームの牽引役となった元文化放送ディレクターのおたっきぃ佐々木こと、佐々木伸。

2005年頃以降、活動を縮小していた同氏が2013年8月、超A&G+枠のラジオ番組『あませらげ! 東京!』で古巣文化放送で電撃的な復帰を果たす。しばしの休息から復帰するA&Gの元カリスマが、番組放送開始を前に『あませらげ! 東京!』について語ってくれたので、その模様をお伝えしていこう。

おたっきぃ佐々木やおたささの愛称で、佐々木伸氏。知られる90年代の声優・アニラジブームを作り上げた中心的人物の一人

おたっきぃ佐々木が語るラジオ『あませらげ! 東京!』

――おたっきぃ佐々木と言えば30歳前後のアニラジファンなら誰もが知ると思うのですが、若い人に向けて自己紹介して頂けますか?

おたっきぃ佐々木(以下、佐々木)「以前ネットで書かれていて笑ったんですが、おたっきぃ佐々木とは、現在の鷲崎健のポジションであると(笑)。元々は文化放送のディレクターで、番組でキューを振る側の人間でした。イベントの前説をしている内に、トークもやれ、番組もやれと言われてパーソナリティもやるようになりました。『なんなんだ、お前は』と言われたら、まぁ、ただのオタクなんです(笑)」

――『ツインビーPARADISE』の名物ディレクターとして始まり、『超機動放送アニゲマスター』でパーソナリティを。2004年には「itv」でWEB配信動画もされていましたね

佐々木「ネット動画番組では、アイマスのブレイク前に『アギュー』とか、今井麻美さんや中村繪里子さんと番組をやっていました。本当に好き放題やってたので、今、会ったら絶対怒られると思っています」

――2005年頃から、しばらく活動を休止されましたね

佐々木「ダークフォースに囚われたという風に言っておきましょうか(笑)。で、実家が自由が丘の焼鳥屋なので、そこを手伝いながら、たまにお声がかかりラジオの手伝いをしてました。それが、今回なんと、古巣の文化放送さんから『番組をやらない?』と声かけて頂きまして、パーソナリティーを務めることになりました」

「狙うは、地上波!(笑)」と大きな野望を胸に、古巣文化放送で『あませらげ! 東京!』でパーソナリティーとして復活

――おたっきぃ佐々木、満を持しての『あませらげ東京』、どんな番組でしょうか?

佐々木「"あませらげ"はアニメ、漫画、声優、ライトノベル、ゲームで、ラジオと親和性の高い現代オタク五種、デカスロンといった感じです。過去に僕は、アニメとゲームで『アニゲ』という番組行なっていましたが、『あませらげ東京』では、もっと欲張って総合的にオタク趣味全体の話題に触れられる番組にしようと思っています。8月4日から超A&G+で4回放送しますが、まずは声優さんを中心に据えたうえで、出演されているアニメやゲーム、原作作品などのミックスしていこうと思っています。ゆくゆくはレギュラー枠に、あるいは地上波進出……といった夢も見ています(笑)」

――では『あませらげ! 東京!』予行演習ではないですが、最近のアニメについて伺いたいのですが、4月期のアニメで、心に響く作品はありましたか?

佐々木「『翠星のガルガンティア』が良かったですね。あれは、ワンクールでやるのはもったいないと感じました。人を殺すのに飽きたら今度は……、虚淵さんこういうのもいけるんだと。最初はナディア的なことをやるのかなと思って見ていて、途中であっ、やっぱりナディアだとほくそ笑み、そして最後はこういう風に持ってくるのかと。いやな見方してますね(笑)。あと深夜系では、僕は色々欠けていて、人として駄目なんで、なにかが欠けているキャラクターは好きなんです。だから『変態王子と笑わない猫。』は好きでしたね」

『翠星のガルガンティア』
(C)オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会

――これから、放送が始まる7月新番はどうですか?

佐々木「『銀の匙』はやっぱりフジテレビで来るのか、という感じですね。原作の空気感をうまく出せるのか、大変だろうな、頑張ってほしいなと思っています。『げんしけん二代目』も始まりますが、43歳の俺からすると、こんなオタク友達がいるサークルがあって羨ましいです。俺の頃、そういったサークル、全然なかったですからね。今じゃ、現実でもファンの子が集まって文化祭に声優さん呼んだりして、羨ましいなと指くわえちゃいますよ(笑)」

――最近注目してる声優さんはいますか?

佐々木「完全に趣味ですが、上坂すみれさんは一度お会いしてみたいなと、多分好きな音楽似てそうなので、ロシア語で会話してみたいですね。ロシア語出来ないんですけど(笑)。あとは寺川愛美さんが伸びてきて、そろそろ爆発するんじゃないかな? という感覚があります」

――最近のアニメといえば、フルサイズではなく、5分や12分尺のアニメも増えてきましたね

佐々木「『てーきゅう』とか、あと『gdgd妖精s』など、実験的な作品が増えましたね。あと、『直球表題ロボットアニメ』は、お前ら馬鹿だろ(もちろん褒め言葉)って思いながら見てました。深夜枠は、どんどん冒険してほしいです」

――『あませらげ! 東京!』も日曜深夜枠として冒険していく感じですか(笑)

佐々木「行きたいですね(笑)。自分はオタク文化の下の方の人間なので、一番濃いところをあさって、上流の方にいる人にぶっかけていくような番組にしたいですね。今回は久しぶりなんで、まずは準備運転な感じでいきたいと思います。長い夏休みをもらってだいぶリフレッシュしたので、その間の自由研究をどんどん発表していきたいと思います(笑)」