街を歩いていると、「なんであんな冴えない男と超美人が手をつないであるいているの」なんて思うことありませんか?男と女の関係は人それぞれ。そして、男女の数だけ愛のカタチもさまざま。そのヒントをひも解くべく、動物・お魚たちにまで視野を広げ、この地球上に生きるさまざまな “ワケありカップル”たちをご紹介します。

「求愛」猛烈逆プロポーズでオスを悩殺するタマシギ

動物界のワケありカップル代表「カクレクマノミ」。詳しくは本文をご覧ください

男と女、すべてのはじまりは愛を告げることから。好きな相手に対しては、誰しもが夢中になるあまり盲目になり、おかしな行動に出てしまうことはありますよね。まずは、鳥類のちょっと変わった求愛行動を紹介しましょう。

人間では、男性が女性にプロポーズするのが定番だとされていますが、鳥類の中では、メスがオスに求愛する鳥がいます。「タマシギ」という鳥は、メスがオスより派手で体も大きく、大きな声で頻繁に鳴き、目立つ行動でオスにアピールをします。繁殖時期のメスのくちばしは口紅をつけたように赤くなり、セクシー度に磨きをかけてオスに迫ります。プロポーズは男からなんてもう古い! 好きな男がいたら、女性からアタック!まるで肉食系女子と草食系カップルですね。

「交尾」交尾の最中にオスがメスに食われる!? カマキリ

自然界では当然のように行なわれる「交尾」ですが、中には驚くような習性をもつ生き物がいます。 その代表が、なんと交尾中にメスがオスを食べてしまうカマキリ!カマキリの種類にもよりますが、交尾している途中でオスは頭から食べられ、それでもそのまま交尾を続けます。

最後はオスが生殖器のある尾だけになっても雄の生殖機能は失われず、その部位だけの状態で数時間にわたって交尾が続けられるのだとか。一見、残酷ですが、出産をするメスの栄養源になるために、オスは自らの命を捧げるわけですから、ある意味極限の愛のカタチといえるでしょう。

「子育て」まるで“主夫”! 嫁の帰りをひたすら待ち続けるコウテイペンギン

最近は“主夫”なんて言葉が流行しています。人間の子育てにそれそれの形があるように、動物界でもそれは同じのようです。

コウテイペンギンのメスは産卵後、産卵で失われた体力を満たすために遠く離れた海に餌を獲りに行きます。メスが戻ってくるまでの約2ヶ月間、卵を温めるのはオスの役割。南極の氷の上では、卵を放っておくとすぐに凍ってしまうため、袋状になっている下腹部の羽毛で寒さから守ります。オスはメスが戻ってくるまでの2ヶ月~3ヶ月の間、飲まず食わずで卵を温め続け、メスが帰ってきたらようやく自分の餌を獲りに出かけられるのです。

すべては、愛する我が子のため!と思っても、私だったら1日でしびれを切らし、何度もメールや電話をかけまくってしまいそうです・・・。極寒の過酷な地を生き抜くための涙ぐましい愛のカタチですね。

「性転換」ある日、お父さんがお母さんに変わったら?「カクレクマノミ」

オスとメスのさまざまな愛のカタチを紹介してきましたが、世界は広い。 性別を越えた関係で成立するカップルも世の中には多くいます。 最後に、魚の世界から摩訶不思議なオスとメスのあり方を紹介します。

映画「ファインディング・ニモ」のニモのモデルにもなった魚「カクレクマノミ」は、生まれた時はすべてオスの集団ですが、その集団の中で一番大きいオスがメスに性転換!2番目に大きいオスとペアを組み、産卵に至る生態をもっています。また、そのメスが死んでしまうと、今度はオスがメスに性転換するという、人生が2回あるかのような生き方をする魚です。 ある日突然、お母さんから「実は、男なのよ」とカミングアウトされたら、 私だったらニモとは別の意味で、本当のお母さん探しの旅に出るかもしれません・・・。

その逆に、「コブダイ」という魚は、生まれた時はすべてメスで、その集団のなかで巨大化したメスがオスに性転換します。自分、「お父さんは男」「お母さんは女」であることが常識と思っていましたが、自然界のなかでは、ちっぽけでつまらない考えだったんですね。

いかがだったでしょうか。動物界のカップルにも色々な“ワケあり”が多いことが分かっていただけました? 一方、人間界の“ワケあり”カップルを紹介するのが、「dビデオ Powerd by BeeTV」で6月1日から配信されている新番組「加トザキ~突撃隣のワケありカップル~」。

「加トザキ~突撃隣のワケありカップル~」(C)BeeTV
BeeTV版dビデオ版

ザ・ドリフターズの加藤茶とアンタッチャブルの山崎弘也が「奇跡の性転換夫婦」「キャバクラ経営夫とNO.1キャバクラ嬢妻」「SM夫婦」といった全国のワケありカップルの突撃訪問し、私生活を暴いていくという内容です。

いろいろな夫婦の愛のカタチに驚かされるばかり。この番組を見たら、あなたの恋愛観も変わるかもしれませんよ!


参考・出典
『おもしろくてためになる 鳥の雑学事典』(山階鳥類研究所 著、2004年 日本実業出版社)
『カマキリ図鑑』理科教材データベース.岐阜大学教育学部理科教育講座
NHK『プラネットアース 第八集 極地 氷の世界』より
『クマノミ全種に会いに行く』(中村庸夫 著、2004年 平凡社)
『性転換する魚たち-サンゴ礁の海から-』(桑村哲生 著、2004年 岩波新書)

文:太田陽介(都恋堂)