Surface Pro発表、予約、到着

AppleがOS Xをタッチデバイス向けに再構成したiOSとiPhone/iPadで成功を収めたように、MicrosoftもWindows OS+タブレット型コンピューターという組み合わせで、タブレット市場への参入を試みている。2013年3月15日には、ARMアーキテクチャ向けとなるWindows RTを搭載した「Surface RT」の国内販売を始めたが、米国発売から約4カ月遅れとなる2013年6月7日、ようやく「Surface Pro」の国内販売が始まった。今回筆者はSurface Proを個人的に購入したので、一ユーザーとして率直なレビューをお送りする。

Surface Proの発表があった翌日の5月30日に、某大型量販店のオンラインショップで注文し、発売日前日となる6月6日には出荷を知らせる電子メールが到着。配送業者は日本郵便のゆうパックが担当し、お昼に差しかかるころ、手元に届いた。外装はSurface RTと変わらず、スタイリッシュなケースに包まれて送られてきたが、このあたりの様子は以前のSurface RTレビューを参照いただきたい。

【レビュー】一歩先の未来を具現化した「Surface RT」- 前編
【レビュー】一歩先の未来を具現化した「Surface RT」- 中編
【レビュー】一歩先の未来を具現化した「Surface RT」- 後編

手元に届いたSurface Pro。Surface RTのケースと比べるとグレーの配色が中心となっている

今回、購入時に悩んだのが専用キーボードの扱いだ。Surface RTではタッチカバーを使っていたが、感圧式のキーボードで長文を入力するのは思いのほか難しかった。当初は慣れの問題と高をくくっていたが、発表会など相手の発する声に合わせて素早くタイプするには不向き。そのため、今回は一緒にタイプカバーを注文。

(*)タッチカバー
感圧式キーボードが一体となった厚さ3mmのカバー

(*)タイプカバー
相応の打鍵感を確保したキーボードが一体となった厚さ6mmのカバー

タイプカバーのキーストロークはスペックとして紹介されていないが、タイプカバー本体は6mmの厚さであることを踏まえれば、数mm程度となる。筆者は普段、ThinkPad USBトラックポイントキーボードをデスクトップPCに取り付けて利用しているが、キーストロークはこれの半分程度と述べれば、感覚が伝わるだろうか。

別途購入した「タイプカバー」。Surface RT/Proに装着すると、クラムシェル型ノートPCと同じように使える

Surface Proの同梱アクセサリーは、48WのACアダプターとSurface Pro専用の電子ペン(電磁誘導方式)。ACアダプターはSurface RT用のそれと異なり、USB充電ポートも備わっている。自宅や職場に戻った際は、Surface Pro本体とスマートフォンなども一緒に充電できるのはなかなか便利そうだ。Surface Proは1,024レベルの筆圧感知に対応する電子ペンにより、液晶ペンタブレットとして利用可能だ。

Surface Pro専用となる電子ペン。プラスチック素材を使っているため高級感はない

電子ペンは本体右側にマグネットで装着できるが、ACアダプターが接続不可になる。ACアダプターを持ち歩かない外出用の仕様だ。これはこれで便利

個人的な意見だが、書類などに直接手書きメモを残せる電子ペンは、Surface RTにも添付すべきではなかっただろうか。ご存じのとおりSurface RTには、Office 2013 RTが含まれているため、Officeスイートベースで作業を行うユーザーには有益である。もちろんタッチ操作にも対応しているが、基本的な使用方法は従来のデスクトップ環境と変わらないため、タブレット型コンピューター特有の利便性を享受するには、電子ペンが欠かせない。Surface RTのハードウェア構造制限により、ペン先に加わる力を検知する筆圧感知をサポートしていないのは致し方ないものの、タブレットとして利用することを踏まえると、Surface RTにこそ必要だったのではないかと改めて考えてしまう。

ケースを開くとSurface ProとACアダプターが現れる。電子ペンなどは本体の下に収納されていた

ACアダプターにはUSB充電ポートがあり、ここからスマートフォンなどを充電できる

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