サッカー日本代表は6月4日、ワールドカップのアジア最終予選でオーストラリアと引き分け、2014年にブラジルで開催される本大会への出場権を獲得した。途中、オーストラリアに先制され苦しい展開となり、よもや敗戦かと思われたが、ロスタイムに得たPKを決めて、1-1の引き分けに持ち込み、見事W杯への切符を手にした。その劇的な幕切れに、多くの日本代表サポーターが興奮したことだろう。

PKキッカーを務め、ゴールを決めたのは、日本代表の頼れるエース、本田圭佑選手だ。ロシア・プレミアリーグのCSKAモスクワに所属し、欧州でも活躍中の本田選手は、今や日本のCM界でも"ひっぱりだこ"の存在となっている。

本田圭佑選手がCMに出演するドコモの「Xi」のキャンペーンサイト

2010年からCMキャラクターを務めるスポーツ飲料の「アクエリアス」をはじめとして、最近では清涼菓子の「ミンティア」、ニンテンドー3DS用ゲーム「モンスターハンター4」と、スポーツ関連のみならず幅広いジャンルのCMに出演。さらには、以前マイナビニュースでも紹介した通り、NTTドコモ「Xi」の新CMにも出演している。

ドコモのLTEサービス「Xi」の新CMシリーズでは、俳優の渡辺謙がメインキャストとして出演し、「Strong.」をキャッチフレーズにLTEの強さをアピール。さらに、別バージョンとして登場するのが、渡辺謙と本田選手が共演するCMだ。

偶然にも、通信キャリアでは、ソフトバンクがCMキャラクターとして、同じくサッカー日本代表の香川真司選手を起用している。本田選手と香川選手といえば、エースの座を争う日本代表の二枚看板であり、CM界でも注目度が高いのがうかがえる。

ソフトバンクのCMでは、香川選手が犬やイルカとコミカルなやりとりを演じている。マンチェスター・ユナイテッドでも活躍する香川選手が、普段の真剣なピッチでのイメージとは違ったコミカルなタッチで描かれているのが印象的な内容になっている。

もっとも、日本代表選手がコミカルに演じるCMは意外と多く、アイスの「爽」のCMでは、長友佑都選手がももいろクローバーZと共演し、応援団になりきったことで話題を集めた。

一方、ドコモのCMでは、黒色のスーツをまとった本田選手が同じくスーツ姿の渡辺謙と並んで歩き、そこに「Strong.」の文字が浮かび上がる。日本を代表する硬派なイメージの二人は、まさに「Strong.」で、何も言葉では語らないまでもとりわけ本田選手の個性を強く打ち出した内容となっている。ミンティアのCMにおいても、インタビューでの発言で話題となった「持っている」男を演じており、本田選手が出演するCMでは、自身のキャラクターや個性を打ち出したものが多い。

しかしながら、役を作り込んでいるというよりはいつもの飾り気のない本田選手を見ることができ、強さと自信、ひたむきさといった本田選手魅力の一つになっている。

また最近、SNSやまとめサイトなどにおいて、本田選手が小学生のときに書いたとされる作文が注目を集めている。そこには、「大人になったら、世界一のサッカー選手になりたい、というよりなる」「Wカップで有名になって、ぼくは外国から呼ばれて、ヨーロッパのセリアAに入団します」といったことが書かれている。1年以上前にも話題になったもので真偽は不明だが、しっかりと目標を持ち、有言実行していくという姿勢が、いかにも本田選手らしいと思わせるエピソードだ。

そんな力強いプレーとあわせてサッカーファンを魅了している本田選手だが、先日のオーストラリア戦においても、実直かつ力強いプレーが光り、日本代表をW杯へと導いた。ドコモをはじめ、本田選手をCMに起用している各企業にとっても、より効果的なイメージアップにつながったのではないだろうか。