アジア最大のコンピュータと周辺機器の見本市、COMPUTEXが今年も開幕した。今年はどこのブースでもタブレット系の展示が目立つ。ASUSやAserといった台湾メーカーやIntelのブースにもタブレットが増え、さらに名前も知らないような小さなメーカーのブースにも様々なサイズのタブレットが並ぶ。時代はPCからタブレット端末に移りつつあるようだ。

今年展示されている製品群の大きな特徴として挙げられるのは「ワイヤレス」だろう。タブレットの流行もひとつとしてありつつ、今年は802.11acがいよいよ認可されるかというタイミング。高速無線LANを前提としたハードウェアが登場している。

これらの動きはMacユーザーでも無視できない部分だが、現在のところまだac規格に対応したMacは登場していない。常に無線LANの規格では他社より先んじてきたアップルが、未だac対応マシンを発売できていないというのは問題だ。最新技術をキャッチアップしていくこと、イノベーティブな企業であることがアップルの身上であり、それを怠ってはならないだろう。来週のWWDCで発表されるかもと噂される新型MacBookに期待したいところだ。

Thunderboltはどこまで普及するか

さてCOMPUTEXはPC関係の製品がメインの展示会なので、Mac関連の製品は例年決して多くはない。ブースで係員が広げているのはほとんどがMacBookだったが、展示された対応製品は少なくThunderbolt関連がメインだった。

去年はThunderbolt製品はほとんどIntelブースに置かれていたが、今年は各メーカーのブースで展示されている。昨年同様ドッキングステーションやSSDが多いが、ThunderboltをUSBのハブにするものやSDカードリーダーといったものも登場している。AkitioはUSB3.0、Firewire800、eSATAのハブとしても使えるThunderboltストレージを展示していた。またTRAGANTはPCIExpressに対応したThunderbolt接続の拡張ボックスを展示。1スロットと4スロットのものがあるようだ。

IntelブースのThunderboltコーナー。ストレージやドッキングステーションが中心だ

Akitioの2.5インチHDD/SSD用のThunderboltストレージケース。2.5インチ用なのでコンパクトにまとまっている。ADATAもThunerboltストレージを展示。Macを意識してかアルミの削りだしなイメージだ

Thunderbolt-USBハブ。Thunderboltポートが余っているなら利用価値はある

Akitioのマルチポートに対応したストレージハブ。USB3.0、FireWireのストレージを接続してひとつのMacで利用できる

TRAGANTのPCIExpressに対応したThunderbolt接続の拡張ボックス。4ポート用も検討中とのこと

Wi-FiディスプレイとSDカードリーダー

Mac用のワイヤレス製品では、MaxMediaがMacに対応したWi-Fiディスプレイ技術を展示している。ScreenShareという製品で、テレビなどHDMI入力のあるディスプレイに接続することでMacの画面をワイヤレスで表示できるようになる。

Wi-Fiディスプレイに使われるNTV300。ScreenShareという技術でMacの画面をWi-Fiで利用できる。無線LANのac対応が進めば、いずれディスプレイはすべてWi-Fi接続という時代がくるかもしれない

もうひとつ小物で面白かったのはApotopのSmartSuitという製品。MacBook ProやMacBook AirのSDカードスロットは、普通のサイズのものを挿すと出っ張りが長く、気になるところだ。この製品ではカードの長さを短くすることで、でっぱり部分を1mmにして常に挿した状態で使えるようにしたもの。利用できるカードはMicro SDカード。容量の大きなものを使えば外部ストレージとして利用できるだろう。日本でも発売予定とのことなので期待したいところだ。

ApotopのSmartSuit。MicroSDカードを入れてMacBookに挿すと、右奥のように1mmだけ出っ張るようになる。引き出しはツメを使う