説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「『データベースサイズを増やしますか』と表示されたけれど?」という質問に答えます。

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「Safari」でWebブラウジングしていると、ときどき「データベースサイズを増やしますか」と質問されることがあります。初めて訪れるサイト、怪しいサイトでないかぎり、「増やす」と答えて構いません。

このデータベースは、今後急速な普及が見込まれる次世代のWeb技術「HTML5」で利用されます。これまでの(HTML 4.1以前の)Webブラウザでは、サイトにログインする情報やショッピングカートの中身といった情報を、「Cookie(クッキー)」という仕組みを利用して保存していましたが、HTML5では「Webストレージ」という機能も利用できます。

Safariが容量の拡張を求めてきたデータベースは、Webストレージのうち「ローカルストレージ」と呼ばれるものです。Webアプリを利用したブラウザ内にデータを保存しておくことで、異なるタブ間で同じデータを共有できます。いちどブラウザを終了し再度アクセスしても保存しておいたデータを参照できるため、インターネットから再読み込みしないぶん動作速度が向上します。

ローカルストレージのデータベース容量を増やすと、より多くのデータを一時保存(キャッシュ)できるようになるため、Webアプリの活用範囲は広がります。Safariではローカルストレージの上限は5MBと初期設定していますが、ユーザの許可があればWebサイトごとにより多くの容量を設けることが可能です。これが、「データベースサイズを増やしますか」と質問される理由です。

もうひとつ、HTML5には「アプリケーションキャッシュ」という機能があります。ローカルストレージと組み合わせ、インターネットに接続しない状態(オフライン)でWebアプリを使用する目的などに利用されています。

写真で解説

Webサイトにアクセスすると「データベースサイズを増やしますか」と質問されることがあります