iPhoneのカメラ機能は、よく練り上げられている。光学ズーム機能こそないものの、iPhone 4以降では裏面照射型CMOSセンサーを採用、高い効率で光を取り込むことが可能になり、受光感度の向上とノイズ発生量の抑制に貢献した。夜間や室内など光量が少ないシーンでも明るく撮影できるようになったのは、裏面照射型CMOSセンサーによるところが大きい。

受光感度が向上したということは、シャッタースピードを短くできることを意味する。より短時間でより多くの光をイメージセンサに集めることができるため、そのぶんシャッタースピードが速くなり、動きのある被写体でも止まっているように写せるのだ。

iOSに付属のカメラアプリにはオートモードしか用意されていないため、シャッタースピードを調整できないうえ、被写体に焦点が合った時点でシャッターを切ることしかできないが、シャッターの切り方を工夫することにより撮影のタイミングを調整できる。

そのコツとは、シャッターボタンをタップしてシャッターを切るのではなく、あらかじめシャッターボタンを長押ししておいて、シャッターチャンスが到来した瞬間に指を離すこと。そうすることで、動きのある被写体でもブレなくクッキリと写すことができるのだ。メリーゴーラウンドのように同じ場所を巡る被写体の場合、AFロックをかけておけば確実だ。

なお、このときHDR機能はオフにしておくこと。3枚の写真を撮影したところで、被写体に動きがあるとブレが生じてしまい、ムダになってしまう。

操作手順をカンタン解説

1 『カメラ』を起動し、あらかじめ被写体の位置にあわせ焦点を固定(AFロック)しておく。被写体部分を長押しすれば、シャッターボタン上に「AE/AFロック」の文字が現れる

2 シャッターボタンを長押しし、シャッターチャンスが到来したとき指を離す

3 このように、高速に移動する被写体でも停止しているかのようにクッキリと写すことができる