説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneにも通信障害の影響はあるの?」という質問に答えます。

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iPhoneも携帯電話会社の通信網を利用しますから、そこに障害が発生すれば当然影響を受けます。au版iPhone 5は、au/KDDIのLTE通信サービス「au 4G LTE」を利用しているため、5月29日から断続的に発生した通信障害の影響を受け、東京や神奈川を中心にLTE回線経由でのデータ通信が利用できにくくなる状態となりました。

通信障害が発生する原因はさまざまです。今回のau/KDDIの通信障害は、第1報では「パケットデータ設備故障」とされていました。その後「LTE基地局制御装置の故障」と報告されたため、原因をある程度絞り込むことができましたが、現在のところ詳細は不明です。

通信障害が発生すると、ユーザは回線を利用できない/通じにくくなることによる不都合が生じます。今回のケースでは、特定エリアでLTE回線網につながらない/つながりにくくなり、3G回線網にトラフィックが集中しました。その結果、3G回線網も利用しづらい状態となり、通信障害の影響数は最大約64万件にまで増加しています。64万件という数値のなかには、もちろんiPhone 5も含まれます。

今回の通信障害と関係があるかどうかはわかりませんが、iPhoneを含むスマートフォンは常にネットワークに接続した状態に近く、操作されていないときも断続的にパケットを送受信しています。スマートフォンの利用者数が増えるにつれパケットの量は増加しますから、通勤時間帯など利用が集中する時間帯は、通信設備の処理能力が実際のトラフィックに追いつかなくなる可能性もあります。

実際、2012年1月にNTTドコモで起こった大規模通信障害は、ネットワークの混雑(輻輳)が原因とされています。NTTドコモにかぎらず、au/KDDIやソフトバンクも、スマートフォン利用者増により急伸するトラフィックへの迅速な対応(通信設備の増強)が求められていることは確かでしょう。

写真で解説

iPhoneは携帯電話会社の通信網を利用しますから、大規模通信障害が発生すればその影響を受けます