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Windows 8向けに設計されたハードウェアにLinuxディストリビューションをインストールして利用することは、Windows 7までのハードウェアに比べていくらかの困難を伴うことはこれまで何度も指摘されていた。当初は「Secure Boot」と呼ばれる機能が最大の阻害要因とされてきたが、この問題は徐々に解決しつつある。

もうひとつ、回避しにくい問題があることを「Secure Boot isn't the only problem facing Linux on Windows 8 hardware」が伝えている。Windows 8では高速なシステムの起動を実現するために、ハードウェアに対してシステム起動時にデバイスの初期化を省略することを求めている。たとえばUSBデバイスなどは、ハードウェアが起動する段階で一度初期化され、OSに処理が移ってからもう一回初期化されている。こうした重複した初期化の繰り返しが、システムの起動を遅くする原因になっている。

Windows 8の高速起動に対応したハードウェアでは、ハードウェアの起動の段階で初期化を実施しないため、たとえばUSB接続のキーボードやマウス、USBメモリなどはシステム起動時に扱えないことになる。タブレットデバイスなどではそうしたデバイスは必要ないため問題にならないが、Linuxディストリビューションをインストールしようとした場合には問題になる。USBメモリなどが利用できなければ、OSのインストールを実施できない。

システム起動時にUSBなどのハードウェアの初期化を実施し、それらデバイスを利用できるようにするには、一旦OS側からそうした設定をしてやる必要ある。Windows 8を搭載して販売されているデバイスであれば、一度はWindows 8を起動してその設定を実施する必要がある。このため、Windows 8のエンドユーザライセンスに同意せずにLinuxディストリビューションをインストールしたいという要望があったとしても、Windows 8向けに設計されたマシンではそれがとても困難なものになる、と説明されている。一旦Windows 8を起動しなければ、マシンの起動時の挙動を変更できないためだ。

エンドユーザライセンスに同意せずにLinuxディストリビューションをインストールするには、システムを起動する前にマシンを分解してハードディスクやSSDを換装するという方法があるが、さらに導入の敷居は高いものになる。