日本人初! 部門最優秀賞! 姉弟でISEF出場&受賞

しかし、この先にもっと嬉しいニュースが待っていた。一位受賞者(該当者がいた場合2~3人が受賞)の中から選ばれる部門の最優秀賞の発表で、田中さんの名前が再び呼ばれたのである。田中さんは、ISEFを運営する米国・非営利団体サイエンスサービス会長のエリザベス・マリンコラ氏とインテル基金エグゼクティブ・ディレクターのウェンディ・ホーキンス氏としっかりと握手をした後、満足感いっぱいといった表情を見せてくれた。

受賞後のインタビューで、最後に名前を呼ばれるまでの気持ちについて聞くと、田中さんは「呼ばれなくて不安だった。だんだん落ち込んできて、これは駄目かなと思ったけど、まだ希望を捨てられずにいました」と答えてくれた。名前を呼ばれた瞬間については「目の前がパッと開けた感じで、嬉しかった。めちゃくちゃうれしくて、舞台では自分が何をやっていたか覚えていません」。受賞の感想は「最高の賞をいただけたので、さらに自分の研究を発展させていく上でもいい機会になったと思う。賞金は進学資金や研究費用に使いたいと思います」と語ってくれた。

審査に先立ち行われた一般公開のブースで、プロジェクトの内容について説明を受けただが、田中さんは微小貝を研究するのが本当に好きで、新しい事が分かると楽しい! といった素直な気持ちが伝わってきて、ついついいろいろと質問をしてしまった。

実は、田中さんは2年前のIntel ISEFに出場し、地球科学部・部門賞3位受賞と米国地質学研究所・特別賞1位を受賞をした、田中里桜さん(当時高2)の弟だったのである! そう言えば、姉、里桜さんも当時、有孔虫についてワクワクしながら話してくれたのを思い出した。(米国地質学研究所が注目する日本の女子高生、古環境研究で快挙! - Intel ISEF 2011)

IntelISEF 2013に参加した日本代表のファイナリストたち

科学自由研究の振興を目的に活動を行う「NPO法人日本サイエンスサービス(NSS)」の理事を務め、自身もISEF出場経験を持つ西本昌司氏(名古屋市科学館主任学芸員)は、次のように語る。

「田中さんの研究というのはある意味、大動の研究と言っていいもの。オーソドックスな研究なんだけれど、新しい視点を取り入れることで、革新を起こす可能性があるということが高く評価されたと思う。地下の研究は、放射線廃棄物、地熱発電、資源探査、CO2の地中貯留といった問題解決に大事な分野だが、研究に貢献できる人材がいないのが現状である。ISEFのようなコンテストをきっかけに、若い人材が育っていって欲しいと願っている。田中さんにもぜひ研究を続けていって欲しいと思う」。