Appleが提供するオンラインサービスの多くは「プッシュ通知」に対応している。iOSデバイスが携帯電話回線または無線LAN回線を利用できる状態、すなわちインターネットに接続可能な状態であれば、Appleが運営するサーバからごく短いデータを直接送信できるため、Apple純正アプリのみならずサードパーティー製アプリでもこの機能を利用するものは多い。
『App Store』もこの機構を利用し、アプリのアップデート情報をタイムリーに通知している。ただし、ダイアログは表示せず、アイコンの右上にアップデート件数を意味する赤丸(バッジ)を表示するだけだ。ダイアログのように操作をうながすわけでもなく、どのアプリが更新されたか情報を残すでもなく、ただ件数を表示する控えめなものだが、数字のマジックで"無言の圧力"を感じさせアップデートをうながす仕掛けは巧妙だ。
電子書籍を取り扱う「iBook Store」もAppleが運営しているが、プッシュ通知のしくみはApp Storeと異なる。App Store同様、必要に応じてデータをアップデートする機構は用意されているが、『iBooks』にプッシュ通知してくれないのだ。だから、ダウンロード済の電子ブックがアップデートされても、ホーム画面の『iBooks』アイコンにバッジは付かない。
iBook Storeからダウンロードした電子書籍のアップデートを確認するには、現在のところ、『iBooks』を起動して「Store」ボタンを見るしかない。ここにアップデート件数がバッジの形で表示されるので、タップすれば電子書籍を最新の状態に更新できる。アプリほど更新頻度は高くないものの、多数の電子書籍がある場合は覚えておくといいだろう。