今回、「AT-X 12-28 PRO DX」を持って訪れたのは、歴史的な建造物が保存・展示された都内の公園です。ここでは建物の内部に入って見学できるようになっていますが、こうした場所では、広範囲が写せる広角ズームが活躍します。

1枚目の写真は、展示された銭湯の内部を真正面から捉えたもの。12mm側を使って、こうして室内の全体を写すと、その場の雰囲気や空気感が、そのまますっぽりと写真に記録できるような感覚になります。また、広角ズームにありがちな歪曲が目立たないように低減されている点には好印象を受けました。

マニュアル露出(F5.6 1/125秒) ISO800 WB:オート 焦点距離:12mm(18mm相当) (原寸大画像を見る)

次の写真は、広がりのある構図を意識しながら12mm側で撮影したもの。使用上の注意点は、広角ズームは広い範囲が写る分、構図が散漫になるケースが多いことです。画面の四隅にまで気を配って構図を決めるようにするといいでしょう。また、中途半端に距離を空けず、撮りたい被写体にできるでけ接近することもポイントです。右下の写真は、近景に時計を配置することで、構図に奥行きとメリハリを与えています。

マニュアル露出(F8 1/200秒) ISO100 WB:オート 焦点距離:12mm(18mm相当) (原寸大画像を見る)

マニュアル露出(F5.6 1/100秒) ISO800 WB:オート 焦点距離:12mm(18mm相当) (原寸大画像を見る)

このレンズは、開放値はズーム全域でF4に対応。特に明るいというほどではありませんが、幅広い焦点距離に対応しながら、ワイド側からテレ側までF4を維持しているのはうれしいポイントです。下の写真は、F4の開放値を使って12mm側で撮影したもの。薄暗いシーンでの手持ち撮影でしたが、ブレることなく、シャープな仕上がりを得られました。

マニュアル露出(F4 1/80秒) ISO800 WB:オート 焦点距離:12mm(18mm相当) (原寸大画像を見る)

外装の剛性感は高く、リングの感触は滑らか。フォーカスリングの下には、距離指標の窓があります

レンズの鏡胴部には、幅の広いフォーカスリングとズームリングを装備しています。どちらも適度なトルクがあり、操作感は快適です。インナーズームかつインナーフォーカスなので、リングを回してもレンズの全長が変化しない点もありがたく感じます。

左下の写真は、洋館内の階段を見下ろす構図で撮影したもの。ズーム域が広いので、こうした狭い場所でも狙い通りのフレーミングで撮影しやすいといえます。

マニュアル露出(F5.6 1/30秒) ISO1600 WB:オート 焦点距離:16mm(24mm相当) (原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8 1/200秒) ISO100 WB:オート 焦点距離:28mm(42mm相当) (原寸大画像を見る)

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