説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「App Storeからアプリが消えることってあるの?」という質問に答えます。

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App Storeには、Appleによる審査を通過したアプリが公開されています。多数の審査項目が設けられ、しっかりチェックされていますから、動作に問題がある/明らかに法的な問題がある/Appleが定める品質基準に達していないアプリは、そもそもApp Storeで公開されることはありません。

アプリは開発者からの申請(アプリの提出)を受けてAppleが審査するという形で進められます。逆にいえば申請がなければ審査されることはなく、開発者の判断による取り下げが可能です。公開後のアプリも取り下げることができるので、昨日まで販売されていたアプリが今朝見たら消えていた、という事態はありえます。有料アプリも例外ではありません。実際、そのような事例は多数あります。

なお、公開後にApp Storeから消されても、アプリはそのまま使い続けることが可能です。バックアップ先をパソコンとしたときに限定されますが、いちどパソコン(iTunes)と同期すればアプリ本体がパソコンに保存されるため、App Storeから消えても影響がありません。iPhoneにインストールしたアプリも、手動で削除(アンインストール)しないかぎり、そのまま残ります。

ただし、App Storeからアプリが削除されることは、サポートが継続されないことを意味します。今後アプリがアップデートされることはありませんから、機能強化や改良は期待できません。現時点では支障なく動作しても、iOSのアップデートなどをきっかけに不具合が生じたり、動作しなくなったりする可能性があります。

写真で解説

開発者から取り下げがありApp Storeから削除された「VLC Media Player」。iTunesにバックアップしていたため、2年が経過した現在でもiPhoneにインストールできます