Google シンガポールオフィスで開催されたイベント「Helping Small Business Think Big」では、AdWordsやAdSenseなど、Googleの広告技術を活用している中堅/中小企業の取り組みがイベントスペースにおいて紹介された。

ここでは、出展企業の概要と広告展開を簡単にご紹介しよう。

一風堂 - 1年で15店舗を増やすラーメン店

最初は、日本でお馴染みの博多ラーメン店「一風堂」である。

全国でチェーン展開する同店は、1年に約15店舗のペースで出店数を増やしている。現在国内に70弱の店舗を構えるほか、米国やシンガポールなど、海外への進出も果たしている。

その一風堂の悩みが売上である。店舗数が増えたことも影響してか、1店舗あたりの売上が減少傾向にあったという。

そこで一風堂では、売上増に向けた施策の1つとして、広告を通じたサービス訴求を決断。ただし、巨額の予算を確保するのは難しいことから、まずはWebをターゲットに据え、AdWordsへの出稿を昨年6月より開始したという。

出稿後、各店舗の売上は約5%増加。「すべてが広告の影響かどうかはわからない」というが、効果は確実に表れており、今後も改善を続けながら出稿していく予定という。

Milanoo.com - ロリータドレスなどを8言語で販売

続いては、ドレスやアクセサリーのECサイトを展開する「Milanoo」。

本社を中国に構えるMilanooだが、販売はグローバルに展開しており、Webサイトも日本語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語の8言語に対応させている。

地域別の売上構成では、中国が多くを占めるが、米国が25%、フランスが30%と海外販売も順調。日本からもロリータファッションのドレスを中心に多くの注文を受けているという。

Milanoo.comの宣伝活動はWeb広告のみ。Googleのサービスでは、AdWords、AdSenceを利用している。出稿予算は売上げの6~9%。そのうち60%をAdWords、40%をAdSenceで使っている。また、全体の30%は、AdSenceの中でもリターゲティング広告として出稿しているそうだ。

現在のところ、最も出稿効果が高いのはAdWordsだという。「来訪者の30%がAdWordsから」と言い、「今やGoogleのWeb広告はなくてはならない存在になっている」と語った。

薬手名家 - 海外展開を進める韓国老舗マッサージ店

スキンケア/ボディケアのマッサージおよび化粧品を提供する薬手名家は、1979年に韓国で創業された老舗企業だ。韓国のみならず、米国やフィリピン、日本でも店舗を構えている。日本は2009年に事業を開始。現在は東京と大阪の2都市で7店舗を運営している。

同社は老舗企業ということもあり、「韓国内における知名度はすでに十分なレベルにある」が、さらなる売上アップを目指してWeb広告を展開。AdWordsやAdSence、AdMobといったサービスに出稿している。

出稿後は「新規顧客が増えた」と言い、「固定客は一定の水準にあったが、ビジネスの拡大を加速させるうえでWeb広告は有効だった」と振り返った。

なお、薬手名家は、日本ではタレントのIKKOさんに紹介されて大きく売上が伸びたという。また、GoogleとYahoo!の両方で出稿しているが、「Googleから来たユーザーは小顔マッサージ、Yahoo!から来たユーザーは腰回りのマッサージを申込むケースが多い」といった興味深いエピソードも紹介された。