撮像素子にはAPS-Cフィルムサイズ相当の有効1,616万画素CMOSセンサーを搭載。解像感が重視されているため、光学ローパスフィルターは省かれている。また画像処理エンジンには「EXPEED 2」を採用。同社の最近の一眼レフに採用されている最新のエンジン「EXPEED 3」ではない点は少々気になるが、それでも、実写では暗部から明部までの滑らかな階調性と、クリアで豊かな発色を確認できた。

感度はISO100~25600に対応する。ISO1600くらいまではディテールがしっかりと維持されつつ、暗部のノイズは気にならないレベルに抑えられている。このあたりは、大型センサーならではの恩恵といって良い。

発色の調整機能としては、同社の一眼レフ機と同じくピクチャーコントロール機能を搭載する。カスタムピクチャーコントロールを利用して、自分好みの色に細かくカスタマイズすることも可能だ。RAWモードで撮影し、カメラ内RAW現像機能や付属する現像ソフトなどを使って、狙いに応じた色にじっくりと仕上げるのもいいだろう。

トータルとしては、画質にこだわった胸ポケットサイズの小型デジカメとして、バランス良くまとまっているといえる。個人的な改善要望点は、操作のカスタマイズの自由度をもう少し高めて欲しいこと。現状でも、2つの「Fn」ボタンへの機能の割り当てができるが、愛好家向けのカメラとしては、それだけではもの足りなく感じる。例えば同社の一眼レフ機のように、露出補正やISO感度をダイレクトに操作できるようなカスタム機能があると、個人的にはなお便利だと思う。

レンズ性能や画質に関する満足度は高い。スナップ撮影を高画質で記録したい人や、ズームができない単焦点レンズによる撮影スタイル自体を楽しみたい人にオススメできる。28mmの単焦点レンズを1本持参する感覚で、一眼レフ機のサブカメラとして活用するのも良いだろう。

絞り優先AE(F8、1/320秒)、露出補正:±0、ISO100、WB:晴天(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8、1/400秒)、露出補正:-1、ISO100、WB:晴天(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F5.6、1/320秒)、露出補正:+0.7、ISO100、WB:晴天(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F5.6、1/80秒)、露出補正:±0、ISO100、WB:晴天(原寸大画像を見る)

絞り優先AE(F8、1/250秒)、露出補正:+1.3、ISO100、WB:晴天(原寸大画像を見る)

マニュアル露出(F16、1/100秒)、露出補正:±0、ISO100、WB:晴天(原寸大画像を見る)

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ISO感度別の作例。上段左から順にISO100/200/400、中段左からISO800/1600/3200、下段左からISO6400/12800/25600で撮影。絞り優先AE(F4)、露出補正:+1、WB:オート