先日レビューしたGeForce GTX Titanが12万~13万円で秋葉原で売られていることに対抗してかどうかは知らないが、AMDもウルトラハイエンドたるRadeon HD 7990を投入してきた。ということで早速レポートをお届けする事にしたい。

まずはラフに構成から。Photo01が同じTahitiコアをベースにした3製品のスペックを比較したものである。Radeon HD 7990は、かつては"New Zeland"というコード名で知られていた製品ポジションにあるもので、要するにRadeon HD 7970 GHz EditionをDualで搭載した形である。

Photo01:一応Engine Clockが1.05GHzから1GHzに落とされた分、完全にHD 7970 GHz Editionの倍という形にはならないが、殆ど倍と称してもよさそうだ

Photo02:基板写真は後ほど。とりあえずこんな具合に2つ搭載される

メモリ幅も従って384bit×2となる関係で、搭載メモリ量は6GBに達する(Photo03)。出力としてはDVIとMini DP×4基の5画面出力が可能である(Photo04)。

Photo03:当然表面だけでは間に合わないので、裏面にもGDDR5は実装される

Photo04:技術的には多分6画面出力も可能だが、それだとかつてのRADEON HD 5870 Eyefinity 6 Editionの様に全ポートMini DPになってしまい使い勝手が悪いと判断されたのだろう

また、オンボードでCrossFire構成を取る場合、どうしても基板上にPCI Express Switchが必要になるが、Radeon HD 7990では48レーンのPCIe Gen3対応Switchが搭載された(Photo05)。

Photo05:搭載されるのはPLXのPCIe Switch。これは後述

冷却に関しては基板全体を覆うサイズのヒートシンクと三連ファンという構成で(Photo06)あるが、Furmark実施中の騒音を測定すると圧倒的に静か、というのが同社の主張である。消費電力に関しては、負荷が掛かっていないときには片方のコアを完全に殺すことで消費電力を最小に抑えられるとのことである(Photo08)。

Photo06:ファン三連は見た目にもかなりのインパクトがあるが、それにしてもこの薄さで済んだ事はすごいと思う

Photo07:今回騒音測定は行っていないが、確かに比較的静かな部類に入った。少なくとも筆者手持ちの、RADEON HD 7970のReferenceよりも静かかもしれない(全力回転中はまた話が別だが)

Photo08:これは特に待機時の消費電力低減に効果的ではあるのだが、ただ今回新たにPCIe Switchの消費電力が加わっているので、トータルするとどうかというのはやや微妙なところ

性能に関してはこの後ゆっくり評価をするとして、AMDからはこんな結果が示されている(Photo09~Photo11)。現実問題として参考になりそうなのはPhoto11の結果のみであるが、一応シングルカードとしては市場最速というのがAMDとしての主張である。

Photo09:GeForce GTX 690との比較だが、解像度が4K(3840×2160pixel)の場合。勿論最近は多画面環境に対応したゲームソフトも増えてきたので、まるっきり無茶という訳ではないが

Photo10:こちらはHDモニター3枚を並べたケース(5760×1080pixel)でのベンチマーク結果

Photo11:こちらはプレゼンテーションではなく、別途用意されたReviewers Guideからの結果の抜粋

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