説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneのバッテリーってどれくらいもつの?」という質問に答えます。

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ハードウェアとしてのiPhoneの寿命は、4Sや5などモデルによっても異なりますが、内蔵されているリチウムイオンバッテリーによる影響が大きいと考えられます。落として壊さないかぎり、アルミ製ボディや液晶パネルは何年ももつでしょうが、リチウムイオンバッテリーの充電回数には上限があるからです。

Appleによれば、正しく整備されたiPhoneの充電回数は400回。そのあたりから、容量いっぱいに充電しても、購入当初の状態の80%までしか充電できなくなります。

ちなみに、バッテリーの充電回数はゼロから満タンまで(0%→100%)の充電を1回と数えます。0%から50%、50%から100%と2回に分け充電しても「2回」とはせず、「1回」とカウントします。仮に1日平均バッテリー容量の60%を使うとすると、5日(60%×5日=300%)で充電回数3回ですから、購入から約2年で400回に達する計算になります。 約2年でバッテリーのもちの悪さが目立ちはじめ、次第に充電の間隔が短くなり、ストレスを感じはじめて機種変更を検討しはじめる……iPhoneのバッテリーはユーザ自身による交換が想定されていませんから、Apple Storeなどに交換を依頼するか、それを機に機種変更を検討する、ということになるでしょう。

なお、リチウムイオンバッテリーの特性として、寿命を過ぎて使い続けた(劣化した)場合には内部で化学反応が起こり、バッテリーが膨らみはじめます。iPhoneのバッテリーは内蔵され取り出すことは容易ではありませんが、バッテリーが膨らみはじめると、ホームボタンが反応しなくなるなどのトラブルを引き起こします。

機種変更サイクルが速い筆者の周囲では見かけませんが、iPhone 3Gや3GSなど発売から2年以上経過したモデルでは、裏ブタが勝手に開いてしまう「ハマグリ現象」が報告されています。Webで「iPhone ぱっくり」などと検索すると、バッテリーの劣化で裏ブタが開いてしまったiPhoneの写真を見ることができますよ。

写真で解説

リチウムイオンバッテリーが劣化すると膨張しはじめるため、裏ブタがハマグリのように開いてしまうことがあるそうです。iPhone 5もいずれそうなる?