4月7日(日)に東京品川で学生向けのITコンテスト「Imagine Cup 2013 日本大会」が開催された。競技部門では、チームProject N(京都コンピュータ学院)作品:「Knowall Library 5.0」が最優秀賞を獲得。同チームは7月にロシアのサンクトペテルブルグで行われる世界大会の切符を獲得し、日本代表として参加することとなった。

Imagine Cupは今年で11回目、大会への熱い思いを抱いたファイナリストたちが集う

同コンテストは、マイクロソフトが国際競争力のある人材育成の場として提供する学生のためのITコンテスト。世界中で180を超える国と地域から35万人以上の学生が参加する。2013年の世界大会は、ロシアのサンクトペテルブルクで開催される。

右から順にチームProject NのChester Lee Chin Zhen氏と米山哲平氏、審査員を務めたマイクロソフトデベロップメント株式会社 代表取締役社長 加治佐 俊一氏

競技は、「ゲーム」、「イノベーション」、「ワールド シチズンシップ」の 3つのカテゴリから選び作品を作る。今回は、娯楽性/革新性/品質/ビジネス実現性/プレゼンテーションといった5つの基準で審査されるゲーム部門へのエントリーが4チーム、革新性/影響力/品質/プレゼンテーションといった4つの基準で審査されるイノベーション部門が2チームで、ファイナリストは合計6チームとなった。

学校名:チーム名:作品タイトル:作品概要は以下の通り。

  • HAL東京:NFKey:NFKey:RFIDを活用したマスターキーの車両などへの活用

  • トライデントコンピュータ専門学校:Clear Voice:Pafffy:声で操作するアクションゲーム

  • 太田情報商科専門学校:KRAD:トイチェッカー:体を動かして車を操作するレースゲーム

  • 学校法人・専門学校 HAL大阪:でやんぞ:ぬけがみ:体の形を道に見立てて、主人公をゴールへ導くゲーム

  • 学校法人・専門学校 HAL名古屋:flower_shooter:Enchant Flower:主人公が動いた軌跡に花を咲かせるゲーム

  • 京都コンピュータ学院:Project N:Knowall Library 5.0:2D/3Dのゲーム開発エンジン

NFKey

Pafffy

トイチェッカー

ぬけがみ

Enchant Flower

「頭一つ抜けた違う次元の強さ」、と審査側から高評価のKnowall Library 5.0

今回の「Imagine Cup 2013 日本大会」で最優秀賞を獲得した「Knowall Library 5.0」は、2D/3Dに対応したゲームを開発するためのエンジンである。「Knowall Library 5.0」は「Visual Studio2010」と「XNA」を利用して開発されており、「初心者でも使いやすい環境」(Zhen氏)と自負している。

「使い方は簡単で、ファイルにエディタをマウント、ファイルをコンパイルし、ステージにドロップすることで、表示することができ、読み込みもスムーズでストレスレス。移動や回転、拡大といった操作も、マウス一つでボタンをポチポチと押すことで簡単に作業ができる。」(Zhen氏)

プレゼンテーション内では、柱をモデルに解説を行い、障害物の当たり判定の点け方をデモンストレーション。デバッグの作業は「Runボタン」を押すことで、プレビュー確認をすることができもう一度「Runボタン」を押すことで、すぐに作業に復帰することができる。

中学2年生のときに、ゲームを開発したいという思いでゲームエンジン開発に着手した米山氏は、2008年にVer.1.0をリリースしたのを皮切りに2012年までにVer.5.0までバージョンアップを実施、全てのコードは米山氏が1人で自作したもの。最新のバージョンではコードが7万行以上のコードになっている。しかも、「バージョンをあげるごとに一度全部リセットして、コードを1から書き直すようにしている」(米山氏)と「Knowall Library5.0」に対する熱意と徹底ぶりが伺える。

「Knowall Library5.0」の発表スライド

今後の展望としては、「会社を興して、Knowall Library 5.0をビジネス化し、ゲーム開発をしていきたい」(米山氏)と意欲をのぞかせた。

世界大会へ向けて「自分たちの10年後を考えて、自分たちのために、日本のために世界大会でがんばります」(米山氏)と抱負を語った。

Windows 8チャレンジ部門ではユニークなアプリが登場

また、同日同会場行われたWindows 8チャレンジ部門が行われた。Windows 8の機能やデザインコンセプトを活かしたWindowsストアアプリが審査対象となる。審査基準はビジネス実用性/ユーザシナリオとデザイン/Windows 8の機能/革新性/プレゼンテーションの5項目から審査され、今回4チームがファイナリストとなった。審査の結果、チーム青リンゴ(木更津高専)作品:「New War’s」が最優秀賞を獲得した。

Windows 8チャレンジ部門に参加した4チームのメンバー

学校名:チーム名:作品タイトル:作品概要は以下の通り。

  • 木更津工業高等専門学校:青リンゴ:New War's:重力という概念を活用した対戦ゲーム

  • 文教大学:k.shima07:なじみん:学習するキャラクター「なじみん」と対話をすることができるアプリ

  • 長野工業高等専門学校:Cheer Group for OSS:MarkdownEditor:ソースコードをきれいに表示することができるオープンソースソフトウェア

  • 鳥羽商船高等専門学校:BOTEKO:星空投影機:手軽にプラネタリウムを楽しむことができるアプリ

New War's

なじみん

MarkdownEditor

星空投影機

「Imagine Cup 2013 日本代表として、チームProject Nは、7月にロシアのサンクトペテルブルグで行われる世界大会に出場する。今回惜しくも最優秀賞に選ばれなかったチームも、初めてImagine Cupの存在を知ったそこのあなたも、日本チームの活躍を応援してほしい。