【インタビュー】

人気ボカロP「れるりり」に聞く「脳漿炸裂ガール」が生まれたワケ、そして「ニコニコ超パーティーII」へ

1 若い世代のブームが理解できないのは、クリエイターとして末期なのかもしれないと思った

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昨年10月にニコニコ動画に投稿されたボカロ曲が、わずか5カ月で再生数150万を突破するという大ブレイクを果たしている。楽曲の名は「脳漿炸裂ガール」。

アップテンポかつキャッチーなメロディーに、まくしたてるような早口な歌詞、合間に挿入される「どうでもいいけどマカロン食べたい」というフレーズが耳に残る印象的な楽曲だ。作詞作曲を手がけたのは、ボカロネーム「当社比P」として知られるミュージシャンの「れるりり」である。

4月27日、28日に幕張メッセで開催されるニコニコ超会議2のライブイベント「ニコニコ超パーティー2」にも出演が決定しているれるりりに、「脳漿炸裂ガール」が生まれた経緯や音楽のルーツ、超パーティーへの意気込みなどを聞いた。

3月13日に「"脳漿炸裂ガール うたってみた"を聴いてみた&観てみた」CD&DVD2枚同時リリースしたれるりり。ボカロネーム「当社比P」としても知られている。初オリジナル作『いつもより泣き虫な空』でデビューし、「週刊VOCALOIDランキング #102」で2位にランクイン、5日後には殿堂入りを果たしている。「ニコニコ超会議2」と同時開催されるステージ「ニコニコ超パーティーII」には、最終日のトリとして出演する

「脳漿炸裂ガール」はニコニコ動画の流行を意識して作った

――「脳漿炸裂ガール」が大ヒットしていますね。投稿から5カ月で150万再生という数字についての率直な思いを聞かせてください。

れるりり:『脳漿炸裂ガール』を出す前の僕の代表作というと、『Mr.Music』だと思うんですよ。あの曲をアップしたときも大きな反響をいただいたのですが、『脳漿炸裂ガール』のときはまた違った反響がありましたね

――違った反響というと?

れるりり:ボカロ曲をアップしてしばらくすると、やっぱりだんだん忘れられてしまうんですね。ところが『脳漿炸裂ガール』は去年の10月にアップしてから、ずっとチャートの25位くらいから下がらないんですよ。それはびっくりしましたね

――それは「歌ってみた」や「演奏してみた」といった派生作品が多いことにも関係ありますか?

れるりり:それもあるのですが、『歌ってみた』や『演奏してみた』だけじゃないんですよ。『脳漿炸裂ガールみなぎってみた』という動画があって、それは『脳漿炸裂ガール』にあわせてひたすら暴れているっていう動画なんです(笑)。それを見たときは衝撃でしたね。同じように衝撃を受けた人がいっぱいいたみたいで、そこからさらにリスペクトした動画がたくさんアップされたりして、そんなことは今までになかったです

――たしかにそれは予想できませんね(笑)。ところで「脳漿炸裂ガール」はそれまでのれるりりさんの作風とはずいぶん違った曲調です。どちらかといえばもっとポップな印象が強かったのですが、「脳漿炸裂ガール」ではまったく逆といっていい雰囲気に挑戦しています

れるりり:たしかに今まではオシャレなポップスやバラードが好きで、そういうゆっくり聴かせるような曲を作っていました。ただそれをやっていて、自分の中で伸び悩んでいたんですね。それで、ふとランキングや他の動画を見て流行っているものを聴いていたら、どうも早口でラウドなロックが人気だと気づいた。どちらかといえば僕は苦手なジャンルだったのですが、でもこういうのが若い子にはうけるんだなと。若い世代でブームになっている音楽を自分が理解できてないのは、クリエイターとして末期なんじゃないかと思ったんです。チャラい若者を見たオッサンが、最近の若者は……って言うじゃないですか。自分もそうなってるんじゃないかと感じたんですね。だったら若い人のセンスを理解しようと、試しに作ってみたのが『脳漿炸裂ガール』だったんです

――ということは「脳漿炸裂ガール」はニコニコの流行を強く意識して作った曲だったんですね。

れるりり:こういう風にしたらうけるんじゃないかという要素を箇条書きにしてみたりして、僕が思うニコニコ動画のイメージをそのまま具現化したような曲ですね

――ニコニコ動画がなければ「脳漿炸裂ガール」は生まれなかった?

れるりり:だと思います

わずか5カ月で再生数150万を突破するという大ブレイクを果たした「脳漿炸裂ガール」

――「脳漿炸裂ガール」の反響はどうでしたか?

れるりり:驚きの連続でしたね。まず、あんなに早口の曲なのにみんなそれでも歌うんですよね

――「歌ってみた」はそういうところがありますよね。難しい曲にこそ挑戦するというような。

れるりり:歌詞にしても、リスナーがすごく色々な解釈してくれるんです。実はあの歌詞って適当に書いたんですよ。今までの自分の歌詞はメッセージ性が強くて説教くさかったんですが、若い子って説教くさい音楽を聞いて『確かにその通りだ』って思わないじゃないですか。じゃあ逆にリスナーに想像させるような歌詞にすればいいんじゃないかと思って、意味の分からない言葉をパズルのようにリズム重視で音にはめてみたんです。そうしたら、歌詞を見た人が『これはAKB48を批判しているんじゃないか』とか色々なことを言い始めて、それにびっくりしましたね。まったく自分としては意図していなかったので

――そうやってリスナー同士で意見を戦わせるからこそ、動画としてずっと盛り上がっているのかもしれませんね。

れるりり:あとは、歌の入っていない隙間をあえて作っています。これはもしかしたらしらけてしまうんじゃないかと思っていたんですが、みんながその隙間にネタを仕込んで好き勝手やってくれて、それがうれしかったですね

――ニコニコ動画向けに入れた要素がすべて当たった曲だったんですね。……続きを読む

インデックス

目次
(1) 若い世代のブームが理解できないのは、クリエイターとして末期なのかもしれないと思った
(2) 「超パーティー2」は、お金をもらう以上中途半端なことはしたくない
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