韓国Samsung Electronicsが3月14日(現地時間)に米ニューヨークで発表した「GALAXY S4」。さまざまな新機能を搭載したGALAXY S4は、現時点ではAndroidスマートフォンとして最高クラスのスペックを搭載している。今回は、ライバル製品となるSony Mobile Communicationsの「Xperia Z」と搭載機能などを比較してみた。

GALAXY S4(米ニューヨークでの発表会場にて)

Xperia Zのグローバル版(International CES 2013の会場にて)

Xperia Zとのハードウェアスペックの違いは?

GALAXY SシリーズやXperiaシリーズは、販売地域などによってスペックが微妙に異なるため比較が難しい。またGALAXY S4は、LTEネットワークの対応状況が不明だし、どのモデルがExynos 5 Octaを使うか分からない。Xperia Zの場合も、日本向けモデル(SO-02E)は対応周波数帯が異なるほか、おサイフケータイ(FeliCa)、ワンセグ対応するなどの違いがある。よって今回は、GALAXY S4はオクタ(8)コアモデル、Xperia Zはグローバルモデルで比較する。

両端末のスペックを見ると、「オクタ(8)コア」と「クアッド(4)コア」という違いが大きいように見える。しかし、Exynos 5 Octaは、いわゆるbig.LITTLEであり、4つのメインコアと4つの省電力コアという組み合わせで、パフォーマンスと省電力のバランスを取りながら動作する。そのため、全体のパフォーマンスでいえばどこまで差が出るか分からない。なお筆者が参加した発表会に用意されていたGALAXY S4はクアッドコア(Snapdragon 600)製品だったので、実際のオクタコアの実力は製品が発売されてからでないとわからない。このほか、Android OSのバージョンがGALAXY S4は4.2.2。Xperia Zは4.1だが、「なるべく早期に」最新版にアップデートするとしている。

会場に展示されていた端末は、OSにAndroid 4.2.2を搭載した「GT-I9505」で、クアッドコアモデルとなる。ちなみにAT&TのLTEネットワークに接続されていた

また大きな違いとしてGALAXY S4は、最新の無線LAN規格であるIEEE802.11acのHT80に対応。最新ビデオコーデックとして「HEVC(H.265)」をサポートしている。802.11acはまだドラフト段階で、HEVCも国際標準化されたばかりではあるが、いずれにしても最新仕様を盛り込んだ点は評価できる。 逆に言うと、それ以外でハードウェア的な見どころは多くはない。Android OSもメジャーバージョンアップをしたわけではないので、OSとしての新機能も目新しくはない。また、ハードウェア的な部分で差異化を出しづらくなってきている面もある。

もともとGALAXYシリーズは、Androidスマートフォンではスペックに秀でた製品だったが、その面では各社が迫っている。もちろん、現時点では最高スペックの製品と言ってよい。

次項より、カメラやプリインストールアプリなどの違いをチェックしていく。