説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は「iPhoneのアプリは安全なの?」という質問に答えます。

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アプリは人間が制作するものですから、完全無欠な存在ではありません。それだけに「100%安全」と言い切ることはできませんが、誰でも安全に利用できるよう、周到な対策が講じられています。

まず、iOSアプリは「App Store」以外では入手できません。"ジェイルブレイク(脱獄)"と呼ばれる操作を行うと、なんらかのルートで入手したアプリをインストールすることはできますが、Appleの保証対象外となりますから、どのような被害にあっても自己責任となります。

iOSアプリの開発ツールを入手するためには、Appleが運営する「iOS Developer Program」に参加しなければなりません。年間8,400円という参加費がかかるうえ、その決済にはクレジットカードが必要です。住所と氏名の登録も行う必要があります。この時点で、素性の怪しい人物の多くは排除されると考えられます。

さらに、App Storeで公開されるすべてのiOSアプリには「審査」が必要です。審査は人間の手によって入念に行われますから、ユーザが許可しない方法での個人情報の取得など、Appleが禁じた動作を行うアプリは申請を却下されます。iOSアプリの開発者に対しては、それ以外にもさまざまな制限事項が事前に示され、アプリの品質維持と安全性向上に一定の効果をあげています。

一方、Androidアプリはそうではありません。アプリの入手先は、携帯電話会社が運営するアプリマーケットなど、Google直営の「Google Play」以外にもバリエーションがあります。開発ツールは登録なしに入手できますし、端末はメーカーごとに多数あるため動作の検証はiOSアプリほど厳格ではありません。以前はほぼ審査なしで公開できたため、無断で個人情報を抜き取るアプリがたびたび出現するなど、社会問題にもなりました(ただし最近は審査が強化されつつあります)。以上を考えると、iOSアプリの安全性は比較的高い、といえるのではないでしょうか。

写真で解説

iOSアプリはApp Storeのみで公開され、さまざまな制限事項のもと開発され厳しい審査も行われますから、安全性は比較的高いといえます