3月11日。東日本大震災から丸2年が経過したこの日、ニコニコ生放送では『総括!「メディア・原発・防災」~3.11から日本の未来を考える~』と題した討論番組が放送された。番組では「3.11とメディア」、「3.11と防災」、「3.11と原発」、「3.11と日本」という4つのテーマを設定し、それぞれ有識者を招いて討論を行った。

東日本大震災から日本は何を学び、これから何を考えていくべきなのか。番組で語られた討論の内容をレポートしていこう。

番組は4部構成で進行し、放送時間は4時間に及んだ

「3.11とメディア」

東日本大震災は、既存メディアとネットメディアのあり方が改めて問われた出来事でもあった。広島の中学生がNHKの番組をUstreamで配信し、Twitterをはじめとするソーシャルメディアが人々の連絡網として機能するなど、ネットが情報伝達に大きな役割を果たしたことは、既存メディアにどんな影響を与えたのか。

第1部の討論に参加したのは、司会として作家・批評家の東浩紀氏、株式会社ニワンゴ 代表取締役社長の杉本誠司氏、元週刊朝日編集長の山口一臣氏、吉田正樹事務所代表の吉田正樹氏の4名。

震災時にニコニコ動画が果たした役割とは何だったのか

まずは東日本大震災時、ニコニコ動画がどんな役割を果たしたのかについて振り返ってみよう。

杉本氏によると、ニコニコは震災直後には行けるだけの場所に行き、映像を撮って配信することを試みたという。震災時には広島の中学生がNHKの番組を独断でUstreamで配信し、NHKがこれを許可したことが話題になったが、ニコニコもこれに追随し、NHKやフジテレビと連携して番組を配信。2週間ほど配信したことで、結果的に情報共有のテンプレートが作れたのではないかと杉本氏は当時を振り返る。

その一方で杉本氏は「私見だが」と前置きした上で、「ネットはメディアではない」と述べる。テレビや新聞が生み出すものは情報というコンテンツだが、ネットはそのコンテンツを送り届けるものであり、あくまでも場であるというのだ。その意味で、ネットは既存メディアと対立するものではないとの考えを示した。

3.11で急速に接近したかのように思える既存メディアとネットメディアの立ち位置だが、杉本氏は「あれは有事のことで距離感はあまり変わっていない」と言う。これに賛同するのが吉田正樹事務所代表の吉田正樹氏だ。

ネットとテレビは補完関係にあるという吉田氏

「ネットとテレビは融合しないが、補完関係にある。テレビをリッチにするためにはネットが必要。次の緊急時にテレビがどうするべきかという議論がこの2年で深まった。テレビが何のために普段視聴率をとってお金を稼いでいるのか。それはこのためだという公共的使命を震災で学んだ」(吉田氏)

テレビが映像で情報発信し、それをネットが拡散する形で情報共有がなされた東日本大震災だったが、では紙媒体はどんな役割を果たしたのか。……続きを読む