消費電力測定(グラフ37~40)

最後に消費電力である。グラフ37とグラフ38は、3DMarkのFire StrikeでDemoだけを行った場合のシステム全体の実効消費電力を測定したものである。グラフ37がDefault、グラフ38がExtreme Profileでの結果だ。この2つのグラフから、待機状態とデモ実施中のそれぞれの実効消費電力をまとめたのがグラフ39、その差分を取ったのがグラフ40となる。

まずグラフ37と38を見ていただくと分かるが、一番高いのはHD 6790であり、ついでHD 7790、一番低いのがHD 7770となるが、その差は非常に僅かである。実際Photo002を見ていただいても分かるとおり、平均消費電力は5Wしか差がない(HD7770:80W HD7790:85W)から、両者のグラフがほとんど一致するのは理解できる。ただ子細に見るとちょっと面白い。

特にグラフ40を見ていただくと分かるが、これはIdle時とDemo実行時の差だから、実際にCPUとGPUが処理を行う際の消費電力の増分と判断できる。で、Defaultの状態ではHD 7790の増分はHD 7770とそれほど差がない。

これはGPU負荷がそれほど高くない(CPUの負荷も大きいので、しばしばこちらがボトルネックになってGPUが遊んでいる場合がある)から、そうなるとPhoto006に示された段階的な省電力機構が効果的に働いているように思う。

ところがExtreme ProfileになるとGPUの負荷だけがグンと増えるので、必然的にHD 7790でも高負荷で動く頻度が増え、そうなると消費電力がその分増える結果として差が大きくなるという仕組みだ。

では全体としてExtreme Profileの方が増分が減ってるのはなぜか? というと、フレームレートが全体的にまるで追いついていない関係で、処理できるフレーム数そのものが減って、CPU負荷がその分軽くなっているためと思われる。

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