ソフトバンクモバイルは21日、SoftBank 4G LTE対応スマートフォンにおいて、イー・アクセスが展開する1.7GHz帯のネットワークが利用可能になる「ダブルLTE」を本日よりスタートしたと公表した。ダブルLTEを開始することで、通信の混雑を解消し、LTE通信の速度上昇も見込まれるという。都内で開催されたネットワークに関する説明会で公表された。当初の対応機種は、iPhone 5、iPad mini、iPad Retinaディスプレイモデルに限られ、ネットワークが混み合う都心部から提供していく。

会見に臨んだ孫正義代表

ダブルLTEに対応することで、いわゆる"パケ詰まり"を緩和する効果が見込める。パケ詰まりとは、スマートフォンのアンテナは立っているものの、基地局が混み合いインターネット接続を試みてもデータが流れこまない状態のこと。

同社販売のスマートフォンは現状、2.1GHz帯のネットワークを利用してLTE通信が行えるが、これをイー・アクセスが展開する1.7GHzにも対応する。2つの周波数帯を活用し、基地局の混雑状況を共有することで、通信の混雑を緩和し、iPhone 5等における通信速度の向上も見込まれるとしている。

2.1GHzおよび1.7GHz基地局で混雑状況を共有

ダブルLTEが利用可能なのは、すでに1.7GHz帯に対応したアンテナを搭載するiPhone 5、iPad mini、iPad Retinaディスプレイモデルとなる。Andoridスマートフォンについては、今後発売するモデルから対応していく方針だ。

対応エリアは、都内の混み合う数百箇所がスタート時の対象となり、ことし12月には全国で利用可能にしたい考え。ユーザー側ではOSのアップデートも不要、ダブルLTEに対応することで、バッテリー消費に大きな影響を与えることもないという。

一方、ダブルLTEを磐石なものにすべく、基地局もさらに増加させる。対応基地局数は2013年総務省公表の基地局免許数が2万1,000局であるのに対し、2014年3月末までに、2.1GHzおよび1.7GHz対応基地局をあわせ約3万8,000局まで急拡大させる方針だ。

LTE対応基地局数も増加させる