東芝が2011年末に発売した「レグザサーバー DBR-M190」は、地上デジタル放送6チャンネル分の番組を蓄積することが可能な「タイムシフトマシン」機能を搭載するBDレコーダーだ。このタイムシフトマシンの実力はどれほどのものなのか……実機をお借りしてみたので、レビューをお届けしたい。

「レグザサーバーDBR-M190」

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東芝が"全録"レコーダーを初めて市場に投入したのは、2009年12月。もっとも、それはレコーダーではなく、ハイエンドなテレビ「CELLレグザ 55X1」の1機能として搭載されていたものだった。55X1に搭載されていた「タイムシフトマシン」は、最大8チャンネルの番組を、最大26時間分録画するというもの。その後、CELLレグザだけでなく「レグザ Z」シリーズの一部にも、タイムシフトマシンは搭載されていくことになる。DBR-M190は、テレビではなく、初めてレコーダーにタイムシフトマシンを搭載したモデルで、発売は2011年12月。バッファローの「ゼン録 DVR-Z8」とともに、"全録"レコーダーの先駆けとなった製品だ。

デジタル家電業界は移り変わりが激しい。発売してから、既に1年半近く経過している製品が現行モデルであることは少なく、さらに、その製品のレビューが行われるというケースは、非常に少ないといってよいだろう。今回、DBR-M190を取り上げたのは、DBR-M190が現在でも"全録"レコーダーの一つの基準といえる製品だからというのはもちろんだが、近日中に改めて取り上げる予定の「レグザ Z7」シリーズのレビューとセットで見ていただくためのという理由が大きい。1年間で、東芝の"全録"レコーダーが、どのように変化したのかを見てほしいというのが、筆者の目論むところだ。なお、このレビューが少々辛口なのは、Z7の方を先に使ってしまったためだ。

まずは製品の概要をチェック

DBR-M190が搭載しているチューナーは、地上デジタル専用が6基に、地上/BS/110度CSデジタル用が2基だ。最大6チャンネルの地上デジタル放送を、タイムシフトマシン用のHDDに蓄積することができる。通常録画用のチューナーも2基内蔵しているので、タイムシフトマシンとは別に、2番組の同時録画が可能だ。

B-CASカードか1枚、miniB-CASカードが1枚で、8チューナーを利用できる

内蔵しているHDDの容量は、タイムシフトマシン用が4TBに、通常録画用が1TBだ。以前のレビューで取り上げたパナソニックの「DMR-BXT3000」がトータルで2TBだったのに比べると、大容量だ。ちなみに、こちらは在庫僅少となっているが、DBR-M190の下位機種「DBR-M180」のHDDは、タイムシフトマシン用が2TBで、通常録画用が500GB。DMR-BXT3000よりも少し容量が多い。なお、通常録画用のHDDはUSBによる増設が可能だ。タイムシフトマシンの録画モードは、「DR」「AVC高画質(8Mbps)」「AVC中画質(6Mbps)」「AVC低画質(3.5Mbps)」の4種類。DRでは3日間、AVC低画質では15日間の番組を蓄積することができる。

上の段落において、下位機種名および外付けHDDの増設に関して誤った記載があったため、修正致しました。

「レグザサーバーDBR-M190」の「レグザメニュー」

最近のレコーダーでは、起動時に、「スタートメニュー」、または「ホーム画面」といった、機能別のアイコンを使用したメニューを表示する機種が増えている。これは多分に初心者ユーザーを意識した仕様だ。東芝でも、レグザサーバー以外の"普通の"レコーダーでは、スタートメニューを搭載しているの。しかし、レグザサーバーでは、画面の下側にオンスクリーン表示される「レグザメニュー」は存在するが、起動時に表示するメニューといったものは存在していない。録画予約をしたければ、リモコンの「番組表」ボタンから、録画済みの番組を見るのには、リモコンの「録画リスト」ボタンからといったように、非常にストレートな操作体系だ。

「レグザサーバーDBR-M190」のリモコン

タイムシフト領域に蓄積された番組は、リモコンの「タイムシフト」ボタンを押すと呼び出される「過去番組表」から、視聴する。タイムシフト領域内の検索機能なども、ここから利用できる。