説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「最近のアプリに「アドオン」が増えた理由は?」という質問に答えます。

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スマートフォンといえば「アプリ」。アプリストアからアプリを入手し自由に使うことは、スマートフォンならではの楽しみ方です。iPhone向けにも、有償/無償の区別なく多数のアプリが「App Store」で公開されていますが、以前に比べ無償アプリは増加傾向にあります。お試し版(LITE版)アプリも、かつてほどは見なくなりました。

その最大の理由が、「アプリ内課金(In App Purchase)」の普及です。アプリ内課金とは、アプリ内でデジタルコンテンツを直接販売できる機能のことで、そのデジタルコンテンツの呼び名は「アドオン」や「アイテム」などさまざまですが、アプリのダウンロード後にApp Storeの決済機能を利用して支払う点で同じです。ゲームの面データやアイテムが代表例ですが、電子ブックやアプリの追加機能、制限機能のロック解除、音楽聴き放題サービスの会費の支払いなどにも利用されています。

アプリ内課金は、消費者と開発者の両方にメリットがあります。最初は無料ですから、気軽にダウンロードし試すことができます。アプリを気に入ったら、アドオンを購入すればいいのです。開発者は「お試し版」と「正式版」に分ける必要がないため、アプリを一本化することができます。全員が購入してくれるわけではありませんが、ある程度試してもらえばアプリのよさを理解してもらえるので、最初から有料に設定するより商機は増えます。

ただし、どのような機能でもアプリ内課金に移行できるわけではありません。実際の製品やサービスは扱えないルールがあるため、オンラインストア型アプリには利用できません。ソーシャルゲームで見られる仮想通貨にも利用できますが、そのアプリ内で完結する(他のアプリで利用できない)ことが要求されます。開発者にしても、App Store以外で同じサービス/コンテンツを販売している場合、Appleに手数料を差し引かれるぶん価格設定が悩ましくなる、という課題があります。

写真で解説

アドオンが提供されているアプリかどうかは、アプリの詳細情報欄に「アドオン」の項目があるかどうかで判断できます

Appleは複数のアプリにまたがりアドオンを使用することを禁止しています。アプリ内課金で購入したアドオン/アイテムは、そのアプリ内でしか利用できません