雑誌『+DESIGNING』、雑誌『Web Designing』、『マイナビニュース』の3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく人気企画。第94回は、映画監督の平松恵美子が登場。

平松恵美子プロフィール

1967年生まれ、岡山県出身。1992年鎌倉映画塾に第一期生として入塾。翌1993年から山田洋次監督の助監督となり、『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995年)、『学校』シリーズ(1993~2000年)、『たそがれ清兵衛』(2002年)などに参加。『十五才 学校Ⅳ』(2000年)、『武士の一分』(2006年)、『母べえ』(2008年)、『おとうと』(2010年)、『東京家族』(2013年)などでは共同脚本も手がけている。『十五才 学校Ⅳ』、『武士の一分』、『母べえ』で第24回、第30回、第32回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

平松恵美子(以下、平松)「24歳の時に、新宿ピカデリーで、偶然、鎌倉映画塾の第一期生募集ポスターが貼ってあるのを見て、会社を辞めて試験を受けてみようと思ったのが最初のきっかけです」

――これまでで一番思い入れのある仕事は?その理由や思い出を教えてください。

平松「『学校III』の時に初めて山田洋次監督に脚本執筆の為の取材を頼まれたんです。その時に取材をした人々を通して、物語作りに何が必要であるかを学ばせてもらえたし、自分でも映画作りに役に立てる場所があるという事を発見できたのは大きなターニングポイントでした。その頃から山田監督とのコミュニケーションも増えていきました」

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか?また、そのきっかけは何ですか?

平松「『学校III』までは、女性で、しかも小さくて、力もない不器用な私が、どこで力を発揮できるのか探している状態だったので、この世界が自分に向いているのだろうかという気持ちが常にありましたね」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

平松「チャンスがあればですが、舞台の演出には興味があります」

――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

平松「『武士の一分』の時に山田監督からいただいた台本カバーです。山田監督が『男はつらいよ』からずっと実際に使用されていたカバーをいただいたので、愛用しています。撮影現場に置いておくと、時々監督が間違えて持って行きそうになるんです(笑)」

――尊敬している人を教えてください。

平松「山田洋次監督の映画に向き合う姿勢は、やはり尊敬します」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

平松「自宅で考える事がほとんどです。日が沈むとお酒を飲んでしまうので、日が沈む前にしている事がおおいですね(笑)」

――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

平松「仕事があるときは2カ月、3カ月ほとんど休みはないですね。ただ仕事と仕事の間に長い休みがとれる感じです」

――理想的なオフの過ごし方は?

平松「本当は旅行にでもいって、仕事の事を忘れて新しい事を吸収したいなという気持ちがあるんですが、実際は単にぼぉーっとすごしてしまっています(笑)」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

平松「ほとんどハマる事がない性格なので、趣味≒仕事です」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

平松「毎日、缶ビールを2本ぐらいは飲みますね」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

平松「特定の人はいないですが、山田組のみんなとはよく飲みにいっています」

作品紹介

写真左:映画『東京家族』ポスター
共同脚本:平松恵美子
写真右:映画『ひまわりと子犬の7日間』ポスター
監督:平松恵美子