2013年3月5日~8日の4日間、東京ビッグサイトで「JAPAN SHOP」および「リテールテックJAPAN 2013」が開催された。JAPAN SHOPは、魅力的な店づくりを演出する商空間デザイン・ディスプレイや店舗器具などを紹介する店舗総合見本市、リテールテックJAPAN 2013は流通情報システムの総合展。カシオは両イベントに出展し、デジタルサイネージの新製品「カシオサイネージ」のほか、法人向けアプリケーションやタブレット端末、高機能レジ、可視光通信による新技術などを紹介していた。

JAPAN SHOP / リテールテックJAPAN 2013の両イベントにおいて、カシオは多彩な製品とサービスを紹介していた

JAPAN SHOPではカシオサイネージを展示。同製品は、形状カットしたパネル(スクリーン)と小型プロジェクターを組み合わせたデジタルサイネージ機器。担当者は「パネルに投影した動画が商品やサービスを案内するので、強烈なアテンションが期待できます。これがカシオサイネージの最大の売りです」とアピールした。

カシオサイネージは、パネルのキャラクターが言葉をしゃべり、商品やサービスを案内。集客や案内を効果的に行うことができる

カシオサイネージの前面には4つのセンサースイッチがあり、パネルに映し出されたボタンをタッチすると反応する。センサースイッチによるタッチ操作は、階層を設定することも可能。目的に応じて選択項目を絞り込んでいけるので、訪れた人に最適な商品・サービスを案内したい小売店などで有効に活用できる。

そのほか、受付やサービススタッフの業務の一部も本製品で代替できるため、人件費の抑制なども期待できるという。対応言語は日本語のほか、英語、スペイン語、中国語、韓国語をサポートし、外国人を案内する用途にも向く。担当者は「国内では量販店、専門店、観光案内などから、多くのお問い合わせをいただいております」と話していた。

前面に設置された4つのセンサースイッチにより、パネルのタッチ操作を可能にする。階層の設定にも対応。目的に応じて選択項目を絞り込んでいける

さらに本体前面には、スマートフォンなどのNFC機能に対応するチップを内蔵。NFCに対応したスマートフォンをかざすことで、ポイントサービスやクーポンなどを配布できる。店舗側が、来店者への特典を用意することも容易。

NFC機能を搭載するスマートフォンでクーポンを発行する様子

カシオサイネージに内蔵されたプロジェクターの映像を投映するスクリーンパネルは、ユーザーから送られた静止画像をもとにカシオが作成する。この近距離でプロジェクターの映像を映し出すのは、実は技術的にとても難しいことなのだという。担当者の話によれば「短焦点の光を一度ミラーに当て、反射させたものをスクリーンパネル背面に配置した拡散レンズで拡散させるという工夫」とのことだった。

短焦点の光をミラーに当て、反射させたものをパネル背面の拡散レンズで拡散させている(写真左)。スクリーンパネルはアクリル素材と拡散レンズの2層構造(写真右)

もう1つのイベント、リテールテックJAPAN 2013でも、カシオのさまざまな製品とサービスが紹介されていた。

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