まっさらな状態でも十分速い!

最初に、旧機種や内蔵用HDD/SSDに対して、どの程度性能が違うかを見ていくことにしよう。ベンチマークには「CrystalDiskMark(v3.0.2e)」を使い、100MB / 1000MB / 4000MBを各々5回ずつ、さらにランダムデータと圧縮の効くゼロフィルデータの2種類を使ってテストした。(以降のグラフはクリックで拡大表示される)

1000MB×5テストでは、シーケンシャルリード・ライトともに300~400MB/secという、とんでもない値を出している点に驚く。一部テストではHD-GDU3がSSD以上の書き込み性能を発揮しているが、テストに使ったSSDはSandForce製コントローラを使っているため(データを圧縮・転送する機能を持つ)。逆の見方をすれば、HD-GDU3はデータ圧縮のしやすさを問わず安定して速いということもできる。

さらに1GBキャッシュの効果は、HDD最大の弱点であるランダムリード・ライト性能をも補っている。特に512KBのランダムリード・ライト性能は、通常のHDDに対し約5~6倍。4KBになるとさすがにHDDらしさが出てしまうが、それでもキャッシュの効果は絶大ということが分かる。

ではここから、HD-GDU3の性能だけに注目することにしよう。次のグラフは、HD-GDU3を使い、テストデータサイズの違い(100MB / 1000MB / 2000MB / 4000MB)による性能の違いを見ていくことにする。1GBキャッシュ内に収まる1000MB以下と、キャッシュからあふれる2000MB以上でどういった差が出るかが見どころだ。

1000MB以下だと速いが、2000MBになると急激に落ち込むことから、最高のパフォーマンスを引き出すには転送データを1GB以内に収めることがベストということが分かる。だが1GBより大きいデータであっても、先のグラフで明らかな通り、旧機種や内蔵HDDよりずっと速いのだ。

さらにデータ圧縮のしやすさに関係なく、HD-GDU3は安定したスループットを発揮する。ランダムリード・ライトの遅さというHDDらしい弱点は残されているが、既存のHDDに対して特に欠点もなく性能を伸ばしている点は大きく評価できる。

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