全国16館で3月2日よりイベント上映がスタートしたアニメ『機動戦士ガンダムUC episode 6 宇宙と地球と』の初日舞台あいさつが同日、東京・新宿ピカデリーにて行われた。

左から浪川大輔、柿原徹也、藤村歩、内山昂輝、福井晴敏、古橋一浩

初上映を終えたスクリーンの前に現れたのは、古橋一浩監督、ストーリー担当の福井晴敏、バナージ・リンクス役の内山昂輝、リディ・マーセナス役の浪川大輔、ミネバ・ザビ役の藤村歩、アンジェロ・ザウパー役の柿原徹也の6名。すでに5回目、定番の進行役となった浪川の進行であいさつとトークがスタートした。

まずは浪川が、2012年で最も売れたBlu-rayに『機動戦士ガンダムUC episode 5「黒いユニコーン」』が輝いたことを報告。場内が大きな拍手に包まれる。そこから内山に、今回のバナージについて話を振り、「今回ちょっとバナージが色気づいたんじゃないか」と斬り込むと内山も「そうですね、スイーツで釣るという」と切り返す。さらに「内山君もそういう風に釣る?」と攻め込まれ、「困る」という初っ端からおかしな出だしに場内も笑ってしまう。そして今回お目見えとなった「フルアーマー・ユニコーンガンダム」に話が及ぶと、古橋監督は出撃シーンを「逆襲のシャアでのサザビーのオマージュなんですよ」と語る。装備を含めると大きすぎて艦内で整備できないので、このように描かれたという。

フルアーマー・ユニコーンガンダムの出撃シーン

続いて今回見せ場満載のミネバを演じた藤村に、浪川は「今回カッコ良かったですね! フロンタルさんに対するあの態度」と言い、思わず藤村が「すみません」と謝る一幕も。ミネバの方が立場は上なのだが……。また、藤村は今回はセリフが多いだけでなく、これまで表に出すことの少なかったミネバ本人の気持ちで喋る部分が多く、フロンタルのシーンは、何度も録り直したという苦労を打ち明ける。さらに浪川、藤村ともにオットー艦長がカッコ良かったといい、内山いわく「オットー艦長も成長したんだなと」今回の見どころとしてあげていた。

内山演じる主人公のバナージ・リンクス

藤村演じるオードリー・バーンことミネバ・ザビ

そして今回、ミネバと同じく見せ場の多いアンジェロを演じた柿原は、「今回は(ローゼン・ズールで)出撃させてもらえるということで、どうやって活躍させようかと台本を読みながら頭がいっぱいだった」と、強い思い入れを語る。また、アンジェロのかっこいい場面だけでなく「慌てる場面もあって、そういう一面も見せられてよかった」と言うと福井が「(収録時に)俺たちは、あれブースの向こう側でゲラゲラ笑いながら見てた」と暴露。柿原も「(収録時は福井たちが)笑ってんのよ! いつも! 必ず」と言い返すと、浪川は「大丈夫、僕も結構近いものがあるから」と、負け組(福井談)同士息の合ったトークを展開する。

浪川は、自身が演じたリディについて「どうですかこの変わりよう?」と変貌ぶりを主張するだけでなく、(ep.5で)ミネバに言われた「あなたのことは忘れない」というセリフが「まぶたを閉じると思い出しますよ」とそのショックの大きさを語る。そこに拍車をかけるように福井は「(ep.5で)落ちたのはミネバだったけど堕ちたのはリディ」とうまいこと言って会場の大爆笑を誘った。

キャスト一同がその成長ぶりに称賛を送ったオットー艦長

浪川演じるリディ・マーセナス

今回の大きな見どころは、ネェル・アーガマの艦内で展開するさまざまな人間の心情と会話で、内山は「フロンタルさんに迫られちゃったりして、楽しかったですね」と言うとすかさずアンジェロ役として柿原が「きーっ!!」とやきもち。そして、それらを打ち砕いたミネバ、と浪川が藤村に振ると、藤村は「強くないといけないのでお姫様は。振る時は振るし!」と浪川にしっかりダメージを与える。

話は最終話となるep.7への展望へと進み、来年春公開予定となる日程だけでなく、これまでは1時間、AパートBパートとして製作してきたが、ep.7にはコンテの段階でCパートがあると福井が明かす。絵コンテは終わったばかりで、1時間越えは余裕で確実とのこと。社内でも「これ本当に最後まで作れるの?」という声が挙がるほど情報密度が濃いらしい。戦闘シーンもAパートほぼ戦闘らしく、原作通りやると絶対収まりきらないのを濃密かついい形に詰めたという。福井は「ep.7のためにこれまでやってきたようなものなのだ」と、期待と自信を覗かせる。

柿原演じるアンジェロ・ザウパー

シャアの再来と言われるフル・フロンタル

最後に6人から一言。柿原は「スタッフはもうep.7の製作に入っています。最後までよろしくお願いします」と進行状況を語る。藤村は「バナージとミネバは可能性を信じて進んでいく中、うまくいかないこともあって葛藤の中にあると思うんですけど、最後まで見守ってください」と気になる2人の行く末を案じ、逆に内山は「ユニコーンをきっかけにこの4年間でいろんな作品に出させていただいて、培ってきたものをすべて投入して有終の美を飾れたらいいなと思います」と代表作のフィナーレを飾ることを宣言。そして、古橋監督はなんと「あと1年、体を何とか維持して完走したいです。あ、夏にまた一度入院します」(監督は1月に4日ほど入院しており、ガンダムファンの医師に治療をしてもらったと2回目の挨拶時に語っている)というまさかの告白。最後に福井は「今年もセールスNo.1をと言いたいところですが『エヴァ:Q』が出るので……」と言いつつもしっかり売れてep.7につなげたいと締めた。

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