つい先日、ワコールの「ラブ、エイジング。」というサイトにて、「メンズ下着、ここが許せない!」と題したアンケート結果が紹介されているのを発見しました。その内容は、男性の下着を見て、「いいなと思うことが多い」が61%に対し、「ドン引きすることが多い」が39%で、じつに4割もの男性が下着だけでドン引きされている! というものでした。

下着に対する女性・男性の感覚の違いとは?

「ラブ、エイジング。」のアンケートコンテンツ「シタギップリ」にて、メンズ下着のアンケート結果が公開されている

男性の場合、下着にこだわりを持つ人は少数派だと思います。でも見方を変えると、下着に対して少し思いを巡らすだけで、女性からの好感度アップにつながるのかも。そこで男性も女性も一緒になって、メンズ下着について1から考え直してみませんか?

そもそもなぜ、「女性が男性の下着にドン引き」という事態になるのでしょう? 筆者はその理由を、男性と女性の「下着観」に大きな差があるからではないか、と考えています。女性の場合は実用性もさることながら、下着にファッション性を求めることが多いでしょう。一方、男性は下着に実用性を強く求めますが、ファッション性はあまり大事だと思っていない傾向があります。

冒頭で紹介したアンケート結果をさらに見ていくと、メンズ下着の「許せないアイテム」として、白ブリーフが1位、ブリーフが2位。実用性はあってもファッション性の低いブリーフが上位を独占する結果となり、ブリーフに対する女性人気の低さがうかがえます。ちなみに3位はひもパン、4位はふんどし、5位はトランクスという結果でした。

1位の白ブリーフは圧勝だったそうです。安くて手に入りやすく、多くの男性にとって子供の頃から親しんできたアイテムだけに、「そんなに嫌いなものか?」と女性に問いたくなる部分もあるでしょう。

ところが、その嫌われっぷりはかなりのもので、嫌いな理由に100人以上もの辛口コメントが寄せられたほど。「白ブリーフが許せない理由」を3位まで見てみると、「1位 : なんとなく嫌」「2位 : おっさんくさい」「3位 : 小学生みたい」と散々。理屈ではなく感情的にさえなっているようです。下着を買うときの選択肢がブリーフしかないというような男性がいたなら、ちょっと考えを改めるべきかもしれませんね。

ブリーフに続くワースト3にランキングされたのが「ひもパン」。男性の言い分としては、ある意味で女性と同様、下着にファッション性を求めた結果が「ひもパン」だったのかもしれませんが、その効力は低い、というよりむしろ逆効果。どうしてそうなるかといえば、男性がファッション性の高い下着を身に付けようとしたところで、無理に女性に合わせようとしているのが見え見えだし、過剰なナルシシズムさえ感じられ、「きもちわるい……」となってしまうからでしょう。

女性にとっての「許せない着こなしと態度・ワースト3」の結果にも、「1位 : 腰パン、見せパン」「2位 : ウケをねらったり笑いをとろうとする態度」「3位 : 自慢げに見せるなど自意識過剰な態度」と出てしまっています。男性が女性に下着を見せることを意識しても、それはそれで許せないのです。「下着もファッションである」と意識する必要があるものの、過剰になれば当然、女性からドン引きされてしまいます。

下着の"ズレ"を直せば、男女の仲も深まる!?

下着で女性にドン引きされない方法とは? (写真はイメージ)

では、具体的にはどんな方法を取ればいいのでしょうか? そのあたりを解決する手っ取り早い方法はデータにも出ています。ワコールのアンケートによると、メンズ下着の一番人気はトランクスとブリーフを"いいとこ取り"した「ボクサーパンツ」。たとえばカルバン・クラインやD&G、BVDなどがおしゃれで実用性も高いアイテムを発売していますし、まず購入して試してみることが最初の一手でしょう。

さらに踏み込めるなら、下着に対するお互いの思い込みのずれを修正することが大切ではないでしょうか。男性なら「下着は実用性だけではなく、多少はファッション性も必要」、女性なら「男性はファッション性より実用性を追求しがち」といった具合に、認識を改めてお互いに理解することです。「たかが下着のことで……」と思うかもしれませんが、そこをきっかけに相談していく中で、お互いをより深く理解するきっかけにもできるはずです。

最後に、今回紹介したアンケートの結果からはっきり言えるのは、「女性は男性の下着を見ていないようで見ている」ということでしょう。女性よりも下着のバリエーションが少ない分、「下着がきもちわるい」イコール「この男はきもちわるい」となる可能性もあるわけで、ある意味で女性以上に気を遣わなければいけないかもしれません。男性はもっと女性の視線を気にする必要がある、というわけです。

執筆者プロフィール : 来栖 美憂(くるす みゆう)

文筆家(男性)。ジャンルを問わない媒体で執筆中。近代カルチャーに詳しく、自身でもメイド喫茶などのイベントを企画・参加するなど実践派でもある。『アキバ☆コンフィデンシャル』(長崎出版)など編・著書多数。TwitterID「@mewzou