マウスコンピューターのノートPCラインナップの中で、最も画面サイズの大きいフラグシップモデルが17.3型液晶ディスプレイを搭載する「m-Book W」シリーズだ。このクラスのノートPCは、ノートブック型とはいえ「折りたためるデスクトップPC」と呼べるほどの体格を有しているが、実際に得られる性能、そしてコストパフォーマンスはデスクトップPCと比べてどうなのだろうか。

今回は、Core i7とSSD+HDDのツインドライブ構成が特徴で、シリーズの中でも売れ筋という「MB-W904B-SH」(販売価格109,830円)を試用し、使い勝手と買い得感を検証してみたい。

「m-Book W」シリーズの「MB-W904B-SH」

豊富なBTOオプション、アップグレード費用もリーズナブル

「m-Book W」シリーズの特徴は、なんといっても17.3型という広々とした液晶ディスプレイだ。1920×1080ドットのフルHD表示に対応しており、インターネットやブルーレイディスクで供給されるHDコンテンツを、精細感あふれるクッキリとした表示で楽しめる。

また、周辺光の映り込みが少ないノングレアタイプの液晶パネルを採用しているのも特徴だ。最近のノートPCでは、ビジネス用途の製品を除き、光沢タイプのパネルがほとんどとなっているが、こだわり派のパワーユーザーの間ではノングレア液晶のニーズは根強い。蛍光灯の明かりが画面に映ってしまうことがないため、設置場所を選ばず、家の中のどこでも快適に長時間の使用が可能だ。

そして、17.3型というサイズのゆとりは、内部のパーツ構成にも遺憾なく発揮されている。本体底面のカバーを開けてみると、がっしりとしたCPU・GPUクーラー、そして2台の2.5インチドライブが目に入る。インテル製CPUは冷却性能の余力を利用して、標準設定以上の速度で動作するターボ・ブースト機能によって性能を引き上げており、確実に排熱を行えることはパフォーマンスアップにもつながる。また、SSD+HDDのツインドライブ構成は、ストレージの性能と容量を両立する現在の最適解だ。

底面カバーを開けると堅牢なCPU・GPUクーラーとツインドライブが確認できる

CPUはクアッドコア版のCore i7-3630QM(動作周波数2.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.40GHz)。「m-Book W」シリーズでは、すべて標準構成がCore i7となっている。また、本機は特にゲーマー向けを銘打った製品ではないが、グラフィックスチップとしてGeForce GTX 660Mも搭載しており、3Dグラフィックスを用いるゲームも、一定の範囲で十分プレイ可能な性能を有している。

そして、マウスコンピューター製品共通の特徴として挙げられるのが、BTOオプションの豊富さだ。多くのユーザーのニーズは標準CPUのCore i7-3630QMで満たせると考えられるが、さらにパワーを求めるユーザーは高速なCore i7-3740QMおよび同3840QMも選択できる。また、SSDは標準でSamsung 840の120GBが搭載されており、このほかインテル520、Samsung 840 Proも選択可能。2台目のストレージには大容量のHDDを選択するのが定石だが、パフォーマンス最重視のユーザーはSSD+SSDの構成にすることもできる。

当然のことながら、オプションを充実させればさせるほど価格は高くなるので、予算との兼ね合いとなるが、同社では特定のパーツの提供価格を優遇するアップグレードキャンペーンを実施していることも多い。今回紹介するMB-W904B-SHに関しては、本記事掲載時点でSSDのSamsung 840を7,980円(通常9,450円)で250GBへ、光学ドライブのDVDスーパーマルチドライブを5,250円(同9,870円)で書き込み対応ブルーレイディスクドライブへアップグレード可能となっており、パワーユーザーの間で特にニーズの高い大容量SSDと、大画面を活かせるブルーレイを魅力的な価格で搭載することができる。この2点のアップグレードを行っても112,980円と、大画面ノートとしては十分に買い得感のある価格帯といえるだろう。そのほか、キャンペーンではインテル520も25~30%程度の値引きが行われている。

ちなみに、今回の試用機にはアップグレード後のSamsung 840 250GBが搭載されていたが、CrystalDiskMarkでパフォーマンスをチェックしたところ、シーケンシャルリードで500MB/秒以上、4Kランダムリードで25MB/秒以上、ネイティブ・コマンド・キューイング(QD=32)の効果を加えた4Kランダムリードでは380MB/秒以上と、非常に良好な性能をマークしている。OSやアプリケーションの立ち上げ、大容量ファイルの展開時などにも、サクサクと快適な操作感を味わえるだろう。

CrystalDiskMarkによるSamsung 840 250GBのパフォーマンステスト結果

加えて、本機では本来メインメモリの容量は8GBとされていたが、これもキャンペーンにより無償で16GB(8GB×2)へ倍増されている。8GBでもメモリ不足を感じるユーザーは多くないと考えられるが、さらに余裕を見て16GBを搭載しているところに、パワーユーザーからも不満のない域を目指す意気込みが感じられる。