説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「テザリングでBluetooth接続とWi-Fi接続は何が違うの?」という質問に答えます。

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テザリングとは、iPhone 5で利用可能な携帯電話回線網を他のデバイスに開放し、インターネットに接続できるようにする機能です。つまり、iPhone 5を「モバイルルータ」として利用できる機能で、パソコンやタブレットなどセルラー回線に対応しないデバイスがiPhone 5経由でインターネットへ接続できるようになります。

iPhone 5に接続するルートは、Wi-FiとBluetooth、USB(Dock/Lightningケーブル)の3種類が用意され、利用しやすいものを選択できます。この3つのルートは、通信方式も違えば通信速度も異なります。その場の状況に応じて使いやすいものを選択するといいでしょう。

このうち最速のルートは、USBです。多くのパソコンが対応するUSB 2.0の転送速度は、最高480メガビット/秒とLTEの最速値(au・ソフトバンクとも下り速度は最高75メガビット/秒)をはるかに上回るため、常にベストな通信速度でインターネットに接続できます。ただし、Dock/Lightningケーブルでの接続となるため、タブレットなどUSBポートを持たないデバイスは利用できません。

次に速いのはWi-Fiです。この方法で接続する場合、iPhone 5が対応するWi-Fi規格のうちもっとも古いIEEE 802.11bでも、最高11メガビット/秒という速度で通信できるため、Webブラウジングもそれなりにこなせます。ワイヤレスなので扱いやすく速度もあるため、他に理由がなければWi-Fiでの接続がベストでしょう。

いちばん低速なルートは、Bluetoothです。通信速度は最高2メガビット/秒程度ですから、メールチェックには不自由なくても、ファイルのダウンロードはストレスを感じるかもしれません。ただし、バッテリーの消費量はWi-Fiより少なく、ペアリングを完了しないかぎりテザリングは許可されないというセキュリティ上の安心感はあります。

写真で解説

iPhone 5のテザリング機能は、Wi-FiとBluetooth、USBという3つの経路があります。通信速度はUSB、Wi-Fi、Bluetoothの順に遅くなります

Wi-Fiで接続する場合、「設定」の「Wi-Fi」画面でアクセスポイントにiPhone 5を選択します(画面はiPad mini)

Bluetoothで接続する場合、「設定」の「Bluetooth」画面で事前にペアリングを完了させておく必要があります(画面はiPad mini)